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Zoomがバズった理由とは。。

1.新型コロナウイルスが社会に与えた影響

新型コロナウイルスの影響によって今までの生活は一気に変化した。変化した中の1つに、企業のウェブ会議システムの導入を挙げることができる。2019年12月末の利用率は44%だったが、2020年4月末には63%に上昇。テレワークの普及にともない、急速に導入が進んだ。導入目的は、「テレワーク環境の整備」が21 %と最も多く、「社内ミーティング・コミュニケーションの向上」(18 %)、「対面でのミーティング数の削減」(18 %)、「社外とのミーティング、コミュニケーションの向上」(15 %)と続く(データ2)。上位全てが「テレワーク」に関連した回答となった。

「Web 会議システム」のメリットはインターネット環境さえあればどこでも簡単に相手の顔を見ながらコミュニケーションできることだ。新型コロナウイルスの影響でテレワーク環境を整備する必要に迫られる中、既存の仕事環境とほぼ同程度の質を担保するツールとして導入された。

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(出所) https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=420

現在「利用中」および「利用検討中」の「Web会議システム」を確認したところ、「Zoom」が最も多く、35 %を占めた(データ3)。次いで、Microsoft の「Skype」が18 %、「Microsoft Teams」が18 %と続いた。その他にも「Cisco Webex」が11%、「Live On」が3%となっている。

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2.Zoomがバズった理由


ZoomはSkypeと比較するとオンライン会議ツールとしては後出しだった。大体新しいシステムは先行者利益となることが多いがなぜ、Zoomが後から出てきたツールであるにも関わらず、人気になったのか。その理由は大きく3つある。

1つ目は簡単に会議を始めることができるということである。オンライン会議では社内だけでなく社外の人とも使うケースがある。そこで重要なのは相手側の手間である。Skypeなどのオンライン会議ツールでは会議に参加するためには、そのサービスのユーザー登録したり、アプリをインストールすることが必要だが、ズームはURLリンクをクリックするだけで、アプリをインストールする必要もなく、webブラウザで動作する。会議を主催するにはユーザー登録が必要だがアプリをインストールすればスムーズに参加できる。これによって、プライベートでZoomを使うだけでなく、会社間でも急速に普及した。

2つ目はシンプルで誰でもすぐわかるユーザーインターフェース(UI)のZoomは扱いやすく、ミュート、ビデオのオンオフがわかれば簡単に、すぐ会議に参加することができる。これは、たくさんの機能をあえて表示しないというデザインである。Zoomでは4,5人ぐらいの小規模な会議から100人単位で参加する様々なミーティングをオンラインでできる。ヘビーユーザになると必要機能はたくさん出てくるのだがヘビーユーザは一握り、たいていのミーティングは顔見知り数人なのでたくさんの機能が必要ない。一般的なミーティングの使い方をするユーザーにとって不要な機能はあえて表示しないようになっている。

3つ目は分散型アーキテクチャである。ビデオ通話で一番ネックになるのがデータの転送だ。参加者すべての映像をデータセンターで管理するとどうしても遅くなる。それぞれの「端末側」で映像や音声のストリーミング処理をし、受信側で画質や音声を選択する仕組みになっている。うまく画質を落として、データ量を減らすようになっている。また、ズームには分散した複数のデータセンターがあり、自動的に地理的に近いデータセンターを選んで処理している。これによって安定したウェブ会議を進めることができる。両者を比較した際の動画視聴時のデータ量は、Skypeビデオ通話だと 36MB/min、Zoomウェブ会議の場合だと 3.3〜5MB/min(引用:Zoom革命)となっている。

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「オンライン会議アプリ8種を比較。Zoom、Teams、LINEの違いとは」
(出所) Business Insider Japan https://www.businessinsider.jp/post-215720

3. 4P分析

様々なオンラインウェブ会議システムがあるが、それぞれのシェア率を見てみると、Zoomが 35% 、Skype が18%、Microsoft Teams が18%であり、Zoomが圧倒的にシェア率が高い。そこで私たちはなぜZoomが利用シェアが高いのかについて私たちなりに考え調査した。その際考え、調査をするために4P分析を使用した。まず4P分析とは場所である(Place),製品である(Product),いくらかである(Price),どのようにである(Promotion)といったマーケティングのおける4つの視点を組み合わせた企業戦略を策定するための分析手法である。今回の分析で4P分析を使った理由は、1つからの視点だけでなく、様々な角度からZoomをとらえることができ、偏った考えにならないようにするためである。そこで、実際に分析を行った結果は下記の通りになる。

①PRODUCT(製品・サービス) 様々なセキュリティがあるため安全である。ホストと共同ホストはミーティングをロックできたり、待機室を作れたり、参加者の機能に制限をかけることができる。また、パスワードをつけることができ、ミーティングに入る前に音声やカメラなどを確認してから入ることができる。表示名は登録してからでも変更できるためその場にあった名前で参加することができる。バーチャル背景を使うこともでき、Zoomを受ける際の環境に左右されにくい。使い方の動画がYouTubeで上がっているため困っても調べると簡単に解決できる。

②PLACE(流通) Zoomを使用すると仕事や商談が家でできるようになり、コロナ禍の中で会社に行ったり、相手がいる場所に行かなくてよくなる。そして在宅勤務になり、仕事の都合で外出をしなくて済む。この点ではスカイプの場合でも特に変わりはない。スカイプは私も経験したことがあるが通信障害は起きてしまうと復旧するのに時間がかかったり、復旧しないこともあった。それはZoomでは起きにくく在宅でしっかり安定して使え、支障が出にくい。

③PRICE 有料のものもあるが、プロ(100人まで参加可)・ビジネス(300人まで参加可)・企業(1000人まで参加可)といった様に人数や規模、使いやすさを考慮した最適なプランが選べる。内容の違いは同時接続の人数やホストの数、ミーティング開催の時間制限の有無である。有料プランのメリットは3人以上での制限時間がないこと、クラウドレコーディングが可能であること、ホストを複数設定できること、Slackなどと連携が可能になることである。Zoomを使う頻度、用途にあったプランがあり、自分に合った使い方ができる。

④PROMOTION(販売促進) 広告や、口コミから広がっていった。スカイプはZoomと違い広告や口コミから広がっていかなかった。この差がZoomの利用につながったのではないかと考える。それに加え、Zoomを初めて利用してから、継続利用させるまでの方法として、「これ見たことある」と事前に刷り込ませておくブランディングは非常に有効である。毎日通る道路沿いに広告を置くことで、無意識にZoomを刷り込ませ、周りの人も使っている雰囲気を作り出す。

4.やっぱりZoom

このような理由からZoomはウェブ会議システムシェア率1位となった。最後にもう一度Zoomがバズった理由をまとめると、前述した通りZoomと他社のオンラインウェブ会議システムとの違いは、ワンクリックでつながることである。Skypeの場合はお互いアカウントを作る必要がある。それはとても手間がかかることであり、時間がかかる場合もある。しかしZoomなら、URLさえ送れば、ワンクリックで簡単に参加することができる。それに加え、録画を行う際の手順がワンクリックでできるという簡単な点である。また、他のユーザーインターフェースでは接続状態が悪く、切れてしまうこともあるが、Zoomの場合は「クラウドレコーディング(クラウドに録画した動画データを保存すること)」という機能があり、確実に録画することができる。さらに、Zoomはたくさんの人が参加していても、顔を見ながら会話することができる。これら以外にもたくさんのアプリと連携が取れているなどのメリットもあり、このようにして競合他社に勝つことができた。また、特にBtoBの業界では1度Zoomを皆が使うとなかなか他社のオンラインウェブ会議システムに切り替わることはない。もし切り替わると取引先にも迷惑がかかる可能性があるからである。

このようにして、見事シェア率1位を獲得することができた。これからもこのシェア率は変わることはないと考える。

参考文献 

株式会社MM総研 2020年05月22日  https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=420

©2019 ちいラボ. 2020年09月27日 https://www.google.co.jp/amp/s/chiilabo.com/2020/04/why-zoom-online-meeting-popular/%3famp=1

NECネッツエスアイ 2020年04月23日 https://symphonict.nesic.co.jp/workingstyle/zoom/zoom-fee/
Deepthi Jayarajan 2020年04月08日 https://blog.zoom.us/ja/zoom-product-updates-new-security-toolbar-icon-for-hosts-meeting-id-hidden/

weblio辞書 出典:『Wiktionary』 (2018/07/01 22:43 UTC 版) https://www.google.co.jp/amp/s/www.weblio.jp/content/amp/%25E3%2583%2597%25E3%2583%25AD%25E3%2583%2580%25E3%2582%25AF%25E3%2583%2588

BUSINESS INSIDER 2020年07月01日 https://www.businessinsider.jp/post-215720

☆かしわだりんのすけ☆

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