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わたしには似合わないからという言い訳を封じると、その先にある「好き」と「やりたい」が見えてくる

一時期、パーソナルカラー診断にはまって、YouTubeを見たりネットの記事を読んだりして、自分に似合う色を探したことがある。その結果、どうやらわたしは「サマータイプ」なのではないか、と自己診断した(※自己診断では間違うこともあるらしいので、要注意)。

サマータイプってのは、やさしめ、くすみ系、スモーキーな色が似合う人。要は、あじさいのような色ですよ。で、サマータイプは、パキっとした原色系が似合わないらしい。赤、金、黒、白とか。あと、くすんでないピンクとか。

わたしはそういう原色系の色が似合う人に憧れているのだけど、やっぱりわたしには似合わないのだなあと思ってあきらめて、ここ数年は、自分に合うらしい色の服ばかりを選んでいた。

でも最近、着物に本格的に興味が湧いてきて、メルカリを見てみたら、家に眠っている昔の着物や帯をお手ごろな価格で放出している方がたくさんいて(1000~3000円とかで)、こんなに安いなら似合わなくても試しに着てみてもいいなあ…なんて妄想を膨らませているうちに、なんだか急に、似合おうが、似合うまいが、好きな色を着たらいいじゃないか! という気持ちになってきたのでした。

そもそも服が似合うかどうかって、気合いで何とかなる問題ではないだろうか。モデルさんはどんな服でも似合わせるし、女優さんは役柄によっていろんな服を着るし。ファッションにおいて、全体の中で顔が占める面積って6分の1くらいだし、メイクや髪型でも変わるし、実は、顔に似合ってるか、似合ってないかってあまり関係ないのではないか。堂々としていればいいのではないか。

もし、わたしが頭に大きなリボンつけてふりふりの原色のワンピースを着てみたいと思ったとして、わたしの顔には似合わんだろうと、たぶん、秒であきらめる。だけど、ちょっと思考実験。もし、わたしが、きゃりーぱみゅぱみゅさんの顔とスタイルだったら、100% ばっちりリボン原色ワンピース似合いまくるわけですよ。はい、じゃあ、似合いまくったわたし、その派手な服を着てどこへ行きますか?

……ううう、行けない。無理。いや、まあ、きゃりーぱみゅぱみゅさんだって、舞台衣装で出かけたりはしないだろうが。

いや、まあ、わたしが言いたいのはですね、ファッションってのは生まれ持った顔に似合うかどうかではなくてさ、ファッションが表現しているイメージを腹くくって引き受けるかどうかなんじゃないかなあと思ったのでした。たとえ顔に似合ったとしても、メンタルがそのイメージを引き受けられなかったら、やっぱり「似合わない」ことになるのではないだろうか。

いつもと違う服を着てみたいと思ったとき、たぶんわたしは、いつもと違う自分になってみたいのだと思う。だけど、「自分の顔に似合わない」という言い訳を挟むと、腹をくくる必要がなくなって、さっさとあきらめてしまう。そりゃそうだよ、いつもと違う自分になるんだから、いつもと同じ自分には似合わないはずだよ。

これからは、着てみたい服があったときに、似合うかどうかじゃなくて、そのイメージを自分が引き受けられるかどうかを考えてみたい。ふりふりして女の子っぽいイメージとか。20代みたいなイメージとか。アーティストっぽいイメージとか。社会に反抗しているようなイメージとか。清楚なイメージとか。勤め人って感じのイメージとか。服はいろいろなイメージを体現する。そういうイメージになりたい!って思ったなら、その気持ちを面白がって受け止めて、「似合わないからやめとけ」ではなく、「ほんとに?やっちゃう?覚悟はある?」と自分に聞いてみたい。ついでに、「やっちゃおうぜ」と、そそのかしたい。他人から見たら中身なんて知ったこっちゃないし、似合ってるかどうかもたぶん他人にはわからない。似合っていないとジャッジするのは、これまでの自分に固執する自分だけなんだと思う。

まあ、似合う服を着ていると周囲に波風たてないで済むので、社会人をしていくうえでは大事だったりもするし、無難な普通に似合う服もちゃんとそろえといてですね。たまに、そこからはみ出た服にビビッと来たときは、自分の顔に似合うかどうかでジャッジするのをやめて、なぜこの服を着たいと思ったのかを考えてみたいなと思う。そうしたら、自分の「好き」や「やりたい」が見えてくるのかもしれない。

それにしても、着物を探している人にとってメルカリは宝の山だよ…。わたしも母の嫁入り道具(着物好きの祖母がせっせと選んだけれど母はほとんど着ていない)を受け継いだので着物を着始めたのだけど、もし着物に興味がなかったら、そんなふうに祖母や母の着物が家にあるけど持て余しているという人は多いのだろうと思う。メルカリを見ると、正絹の着物も帯も、かなり安く売っている。捨てるよりは誰か着てほしいという感じで。1000円~3000円とか…。見始めたら止まらなくなるよ。

普段着使いをするのなら、古着や少々痛んでいても全然ありだと思うけど、そもそも着物を普段着使いする人が少ないから、古い着物の行き場がなくなってあぶれていくんだろうな。

いろんな素材、いろんな作り方、いろんな着方。日本の文化や生活が詰まっていて面白すぎる。そして、メルカリを見ていると仕事にならない…。早く原稿を片付けて、着物を着てお出かけするぞ…!

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