見出し画像

JR線70キロ 110円の旅

ふと思い立ち、長男かねやんとJRに乗ってみることにした。
香椎(福岡市東区)は、古代からの神社があるので、駅舎もお宮風。

香椎駅からJR鹿児島線で2駅隣、自宅最寄りの箱崎駅までの切符を買う。
障害者は(介助者も)半額なので、1人の電車代は110円だ。

でも、箱崎には行かず、JR香椎線の宇美行きに乗る。

このまま、長旅に出ることにする。
110円で、JRに70キロ乗るつもりだ。

香椎駅、13時17分発。
すぐに郊外の風景になる。

5駅めの長者原駅(粕屋町)に、13時29分着。「ちょうじゃばる」と読む。
JR篠栗線線との立体交差。


階段を降りて、篠栗線のホームへ。

直方(のおがた)行きの快速に乗り換え、13時42分発。

のどか。

篠栗町にはお遍路八十八ヶ所がある。
霊場が並ぶ。

寝仏さまで知られる南蔵院を越えると、トンネルに入る。

山を超えると、もう筑豊地方。
かつての産炭地だ。

単線なので、駅ですれ違う。

陽が明るくて、気持ちがいい。
でも、目がかゆい。

桂川駅(桂川町)は7つ先だが、快速なので4駅しか止まらない。
14時03分、到着。

ホームに「豆大福」の看板がある。
のぞいてみる。

店主のおじさんが、「中に入れ」と促す。
昭和の空気が満ちる店内に、豆大福が。
1個、130円。

酒も売っている店内。
カウンターに座って、豆大福。

名物らしく、おじさんが「よく売れるよ」と言う。
あんこには小豆がゴロゴロ。
うまい。
ヨモギは甘め、白い方は塩の味がした。

14時28分発のディーゼル車が、桂川駅に入ってきた。
ここからは、JR原田(はるだ)線。

ディーゼル車の懐かしいエンジン音。
加速が遅い。
ほんとにローカル線だ。

隣のホームには、レールがない。
石炭がなくなって、寂れてしまった路線。
何十年も、そのままだ。

車内に、三脚が立ててあることに気付く。
デジカメで車窓の外を撮影している。
鉄ヲジさん本人は、運転席の後ろから撮影中。

なんと、運転席の後ろ、窓の手すりに、鉄ヲジさんはカメラを固定してしまった!
ところが、運転手さんが無情にもカーテンを下ろす。
虚しく録画を続ける、悲しいカメラ…。

筑豊の農村部、山が迫ってくる。

かねやんは、スマホをいじったり、外を見たり。

長いトンネル。
筑豊はぐるりと山に囲まれた盆地。
南西の方向に進む長いトンネルに入る。

トンネルを抜けると…

福岡県の南部、筑後地方に出てくる。
いきなり都会に見えるから、不思議だ。

桂川をでてから5駅め、原田駅(筑紫野市)に14時56分着。

長者原駅もそうだったが、九州では「原」を「はる」と読むことが多い。
熊本の西南戦争激戦地は「たばるざか」。
宮崎にある自衛隊の基地は「新田原」、これで「にゅうたばる」と読む。
なぜ「新」を「ニュー」と読むのかは知らない。

スマホで、かねやんはいろいろ調べている。
後ろには、別の鉄ヲジさんがいる。

JR鹿児島線・海老津行きの区間快速、15時07分発。
かねやんが見せているのは、犬の動画。

「区間快速」は速い。
原田から博多まで約20キロ。
二日市、 大野城、南福岡の3駅しか止まらない。
どうせなら、指差し確認の場面を撮る。

博多駅に近づいた。
車両基地。

先頭車両で博多駅に入るところを見るのは、初めてかもしれない!

博多からは鈍行に変わった。
2駅で、わが町・箱崎だ。

原田から乗って28分。
15時35分に箱崎駅に着いた。

出発地点の香椎駅から、2駅隣の箱崎までは、本来6分しかかからない…

…ところ、2時間20分かけて、筑豊〜筑後をグルリと廻ってきた。

料金は220円。
キセルではなく、全く問題のない乗り方。
「大回り乗車」と言う。

でも、もちろん、JRしか乗らずに、途中で降りない。同じ区間に二重に乗ってはいけない。

香 椎駅 13時17分発
(JR香椎線)
 ↓
長者原駅 13時29分着
       42分発
(JR篠栗線)
 ↓
桂 川駅 14時03分着
       28分発
(JR原田線)
 ↓
原 田駅 14時56分着
     15時07分発
(JR鹿児島線)
 ↓
箱 崎駅 15時35分着

合計 69.4キロ


よい天気で、楽しく乗ってきた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?