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まる裏俳句甲子園!本戦編 その4 シャネルのNO.5は常識か?

会場に着きますと丁度雪うさぎが一回戦、先鋒のジャッジ決定の瞬間でした。

雪うさぎ vs SUNset

赤い旗は雪うさぎだ。
じゃんっ!
赤4本!

一回戦は「湯冷め」
柊月子さんの
「しぶんぎ座流星群ほろほろと湯冷め」
でまず一勝が決まりました。
館内のアナウンスや披講の話を聞いていると流星群の見方や流星群自体知らない人が多いようでした。しぶんぎ座は今はなく現在のうしつかい座を放射点とした夏のペルセウス流星群、冬のふたご座流星群と並んでお正月付近で見られる短くも有名な流れ星が見える期間。学生の頃は流星群を追いかけていた理科屋としては懐かしい気持ちになりました。

F.よしとさんの
「晩年はシャネルの五番湯ざめする」
批評にて「シャネルの五番とはなんだかわからないと思います」とのこと。そうかー、今の二十歳にはわからないかも知れませんね。F.よしと氏が「シャネルの五番知らない人なんているんですかね?」と返答。どよめく会場。大人と言うよりまる裏ならばシャネルの五番はマリリン・モンローの下着であるのは常識と捉えたい。

さて、旗はどっちに上がるか。
赤い旗3本上がる!
シャネルの五番の勝ち。これは批評で勝ちをものにしたのだろうか。しかし八木重吉にしろ男性は何故詩の中で裸体になりたがるのか。

青山酔鳴さんの
「どんつきに妾宅らしき塀湯ざめ」
しょおぉおーたーくっ!
でたよパワーワード!
相手は高校生とか成人したての人達にぶつける言葉が妾宅!わからないべさやねぇ。
赤い旗3本ストレート勝ちで一回戦突破なのでありました。

どうしてもどなたかの頭部が映り込みますが御愛敬と言うことで。

二回戦目お題は「音を感じる句」。
雪うさぎ vs 赤い実

先鋒は青山酔鳴さん
「寒林はトレモロとぅるらてぃるらろら」
批評に「トレモロとはなんですか?」と声がすると前の席に座っていた女の子がマンドリンであるよねーって呟きが聞こえました。
小刻みに震えるように演奏する技法なので音楽の知識があるかないかでしょう。

寒林に風が当たると木々が凍れているから木琴のような音が出そうです。北国感覚でなんかよくわかる。

赤い旗3本上がります。

中堅戦はF.よしとさん。どんなパワーワードが来るかと思いきや、

「一月の水の澄むまで調律す」

騒々しい一月が終わり静かな日々が寒さの中で収まっていくような。今詠まれる句としてピッタリ!

赤い旗5本上がりました!

もうこの時点で二回戦は突破は決まりましたが、大将戦の俳句も披露。

柊月子さんの
「凩の耳になりたる木々の洞」
雪で大地が覆われても木の根本だけ溶けていたりします。それだ!でもどのくらい北国の現象が四国松山の土地でわかっていただけるかドキドキします。

赤い旗3本!

ストレート勝ち!

なんということでしょうか!
今迄一回戦までしか行けなかったというのが嘘みたいです!

決勝戦は雪うさぎ vs ダイオウグソクムシ
動物のチーム名対決。
お題は「雪」。北海道の得意ワードきたよー!

先鋒戦はF.よしとさんの

「図書館に眠る骨格雪軋む」
会場中がよくわからないみたいでした。批評にもよくわからないのですがと来まして、それを待ってましたと返事をするF.よしとさん。

「北大や博物館の所蔵アイヌ人の骨格標本は意に逆らって発掘・収蔵されたものが多く問題になっており、それが新聞に載るなどして問題になっておりまして」答えを用意してましたよ。和人としてこれを聞いたら旗を上げざるおえないですよねと本人曰く。

赤い旗4本上がりました。

中堅戦は柊月子さんの
「臨月のやうな雪夜を抱き眠る」
深々とこんもり積もった雪は臨月のようなお腹のようであり夜の微睡みの時間の幻想を上手く纏めた句なのですが、大雪が降る北国の感覚が本州で通用するのだろうかとちょっとはらはら。

「雪夜を抱いて眠ったら寒くありませんか?」と相手チームからの疑問が飛びます。

「雪が降ったら北国では温かいねって感じるのです。雪に家が包まれて温かなのです」

さあ、審判の旗はどちらに多く上がるのか?
北国の常識は通じるか!

じゃかじゃんっ!

赤い3本上がる!!
優勝決まり!

最後に残された青山酔鳴さん句は
「パンと撃たれて二度死にまろげ雪まろげ」
わからんわーw
優勝が決まった大砲のような俳句に感じてしまいます。
赤い旗3本ストレート勝ち。
本戦一敗も無く勝ちっ!ゆーしょーう!

優勝の感想を一言とマイクを渡された酔鳴さん。
「喉が渇きました。ビールが飲みたいです!」
ですよねー。予定では午後から飲み歩く予定だったような違うような。

しかし、おめでとうございます!

副賞とメダルの授与。

メダルは木製の手彫り。かっこよかったですよね。

審査員が壇上に上がる途中で「五十嵐先生、おめでとうございます」と声がかかります。
「私におめでとうございますと言われましても、審査員でしてね。北海道が優勝しちゃったから不正だとか言われちゃったんですよ。(笑)でもなんだか感動しちゃって」
嬉しいそうな様子ではありましたが複雑なご様子。後ろから見てましたが、よっぽどの句でない限り、白い旗を上げていらっしゃる確率が高かったと記憶します。

さて、後は懇親会と松山城を巡るお話の二話で終わりそうですね。

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