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和紅茶「加賀の紅茶」でティータイム|金澤屋流お家カフェVol.34

加賀の紅茶で知られる和紅茶は、石川県加賀市特産の茶葉です。金澤屋珈琲店本店の創業当時から少しずつ製造され近年は生産量も安定してきている紅茶。海外の紅茶とは違う素朴で何にでも合う味わい、渋みのない味わいで皆に好かれる加賀の紅茶は、近年リピーターも続出。もうすぐ今年の茶葉収穫のシーズン。毎年新茶で仕入れている加賀の紅茶を紹介致します。

和紅茶とは?

和紅茶とは海外の紅茶に対しての日本で育てられた茶葉を使い作られた紅茶をいいます。つまり、日本の気候風土で育てられた紅茶です。

海外の輸入紅茶とは違う独特の風味や魅力がいっぱい。

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お店でも現在提供しているのは日本の紅茶。更に、産地はなんと石川県加賀市打越茶園です。加賀の紅茶「輝き」という名で近年販売が進められています。

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紅茶って?お茶の樹からできていた?

簡単に紅茶というと!

緑茶と同じく「お茶の樹」からできます。

沢山の緑茶がありますが、同じ樹から積まれた茶葉を使うんですね。ちなみに緑茶のきれいな緑が持続するのは、積んですぐに蒸して、釜で炒ルなどして熱を加えて発酵を防いでいるからなんですね。

対して紅茶は逆に積んだ葉を長時間放置し、揉む…茶の成分を空気にふれさせて発行をどんどん進めていく。

同じお茶の樹で発酵をとめたのが「緑茶」

発酵を進めたら「紅茶」

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その中間が「ウーロン茶」

更にお茶の樹の品種が紅茶の個性にでる!

お米を例にとると日本のコシヒカリは炊くと美味しく

タイ米は、パエリアなどにむき

山田錦は、酒づくりに…

同じお米でも個性が違いますね。

日本のお茶の樹は!?

お茶の樹は大きくわけて「アッサム種」と「中国種」の2種類。

日本の茶葉は中国種です。

特徴として

*渋みが少ない 緑茶向き 寒さに強い

海外の紅茶、インドやスリランカの紅茶は、日本の紅茶と違う強い風味、渋み、苦みを持っています。こちらは「アッサム種」なんですね。

つまり日本の紅茶は、中国種の緑茶用の品種で紅茶を作ったものが多い。柔らかい紅茶が多い。

私も加賀の紅茶の産地へ行ってきたことがあります。茶畑だけ見るととても不思議ですね。

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(↑加賀市打越茶園似て撮影)

和紅茶の種類は3種

和紅茶のの種類は3つ

①「滋納」(じな) 緑茶品種を発酵させうまみが引き出されたような仕上がり
②「清廉」(せいれん)すっきりとした香りを楽しむ
③「望蘭」(ぼうらん)海外紅茶に近い濃厚な味わい

加賀の紅茶は…

①「滋納」(じな)です。

日本の紅茶は、この3つのどれかに当てはまるようです。

茶葉は、やや大きくねじりかかった形状が多く、優しい香りに乾草のような香りが混じっています。
そうそう、加賀紅茶は紫蘇のこのような香りがします。
使用している品種はヤブキタなどの在来種。

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渋みが少なくうまみがある。和紅茶の多くがこのタイプだそうです。まさに日本人好みと言えます。

加賀の紅茶:中国種のお茶の樹から栽培、味わいの特性は「滋納」、品種「ヤブキタ」「オクヒカリ」のブレンド

加賀の紅茶の淹れ方

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淹れ方は、時間をかけてゆっくり。軟水を使いじっくり時間をかけて抽出します。つけすぎても渋みが出にくいのが特徴です。茶葉4gお湯300g抽出時間は最低3分おすすめは4分。5分かけても美味しい。お湯の温度は98℃もしくは少し冷ました湯でもうまい。沸かしたてが一番。

ゆっくり淹れても

2番茶を飲んでもうまい。

のんびりやさんに向いた紅茶です。

加賀紅茶―保存と賞味期間

紅茶の茶葉って、意外に使い切れない…。

という事はないでしょうか?よく外国の紅茶を缶で頂いたり、買ってみると…実際中々減らない(^_^;)

なんてキッチンに眠ったままの紅茶はないでしょうか?

和紅茶の場合…
1年たってまた独特の香味が生まれる事があります。

「熟成」 とも言い、戦前の日本では、紅茶を作り海外に輸出していたこともありました。当時は、「すぐに出来たものを出荷せず1年寝かせてからの方が品質がよくなる」と言われていたそうです。和紅茶は、時間の経過と共に深みの出るものが多いといわれています。

実際にお店でも、1年以上たった紅茶と新茶の季節のできたての紅茶では、香り味わいやどことなく色も違う。

製造の際にかける発酵で差が生まれるようですが、未熟なままの葉の成分が抽出した際に、苦みや渋みとなったりします。時間の経過と共に発酵がすすみ、味がまろやかに落ち着く。時間をかけて飲むことも紅茶ではまた一つの愉しみ方のひとつかもしれませんね。

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「新茶」で採れたてのフレッシュな気分とその年の味わいを楽しむ
「熟成」させて深みとまろやかさを楽しむ

まさに2段階の愉しみ方

コーヒー豆は、焙煎後急速に酸化が進むので(^_^;) 1年たって飲む という事は劇的に変化してしまいます。長い時間楽しめるという点ではうらやましい。

紅茶できてから時間をかけ熟成して丸みを帯びてくることを「後熟」といいます。「後熟」―長く楽しむ秘訣!紅茶は、きちんとした管理のもとで保存する事でより永く美味しさを楽しめます。

適切な保存方法

適切な環境
「周囲に香りがなく、光が当たらず、温度差もない環境で、常温で密閉缶などにいれ保存」

中々この環境を作るのは(^_^;)
湿度が高い日本では、厳しい時期もありそうですが。

*基本的に和紅茶の適正な飲みごろ期間*

和紅茶のタイプには、3種類
加賀の紅茶も含めたソフトな滋納、清廉、望蘭
この順に味わいが華やかで力強くなっていきます。

私たちが普段想像している海外の紅茶は「望蘭」

①滋納
製造の半年後から3年後位が飲みごろ(加賀の紅茶)

②清廉
製造後から1年くらい

③望蘭
製造の3か月後から2年後位

加賀の紅茶は、①の滋納。比較的のんびりとゆっくりと味わえるタイプの紅茶ですね。勿論、その年の出来具合、保存や管理の面でも美味しさ賞味の目安は変わってきます…ので参考までに。

時間たっても美味しいものは熟成
美味しくない場合は、ただの劣化と判断しましょ。

*紅茶の保存で気を付けたいこと*

①冷蔵庫の中やにおいのきついものの近くに置かない。

香りのいいものは、コーヒーと同じく、香りも吸着しやすいのです。

②茶葉が細かいものほど早めに飲み切ったほうが美味しい。

③缶の底にたまった細かい茶葉や少ない量で残ったままだと酸化しやすいので最後は茶葉を多めに使って一気に飲む。

④光にとっても弱い…ので遮光性のある入れ物にいれる

そんなに難しくない条件ですが…
コーヒー豆と同じく 「湿気が大敵」 
ひどい時は茶葉にカビが生えます。

「周りの外気のにおいと湿度の影響を受けやすいので守る」

普段、缶に入れていても黴が生えちゃった…という事がある場合
考えられること

茶葉を救うスプーンや手が濡れていた。
ポットから出る湯気が缶の内部、蓋に付着した。
冷蔵庫で保存し、出し入れする際に温度差で露が生じた。
日に当ててしまい温度差で…
密閉されていなかった。

心当たりある、よくやりがちな事…
他の食材でもやっちゃった。という事はありますね。

茶葉はまとめて買って保存しストックすることが多いので気を付けたいですね!

加賀の紅茶まとめ

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~まとめ~

美味しさ賞味期間:製造後3年くらい
保存場所:直射日光があたらず、安定した温度を保てる常温
保存方法:密閉瓶または遮光性のある密閉缶

和紅茶のタイプ:滋納

熱々のお湯でゆっくり蒸らすと味が出る。
蒸らし時間4分~5分
あったかいくらいの温度で飲むと甘みが増す

煎茶を楽しむようなカップでも十分楽しめますよ。

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国産紅茶の歴史↓ ファーストフラッシュの味わい↓

加賀の紅茶を楽しむー番外編

当店にはこだわりの自家製スイーツがあります。中でも繊細な加賀の紅茶を活かした「加賀の紅茶ブランデーケーキ」は人気のスイーツ。

加賀の紅茶の風味を生かす洋酒を研究し製品にしました。今ではリピーターやファンが多く贈答品としても喜ばれている絶品スイーツです。(店頭でも提供中)

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