2015秋ドラマ:「破裂」

NHKの土曜ドラマはわりと無骨感が漂う感じの映像に仕上がっておりますが、今回も「64」や「ダークスーツ」と同じで好き嫌いが分かれると思われます。

Rioさんも書いておられましたが(https://note.mu/rio/n/ne79ed2bdf3c3)、とにかくまあ男臭い。男臭いというより、アクが強すぎて胸焼けします。
苦しかった過去の回想シーンなど、しつこいぐらいにこれでもかと盛り込んで、いかに主人公が父親に対しての恨みがあったかということをアピール。恨みがあったから、人体実験まがいの治験に踏み切る、およそ人道的ではない事象をなんとか情状酌量で薄らいでもらいたい、主人公はやんごとなき事情で医師の倫理違反を犯しているのだとも言いたいのでありましょうか。
まあ、天下のNHKが、ドラマとはいえ人の命を軽んじているような状況を放送するわけにはいきませんものね。

この心臓の劇的な若返り薬、しかし期間限定――これは考えようによってはすばらしいものでありましょう。心臓の病で寝たきりになっている老人が、期間限定であれ、最後の時を元気に人間らしく過ごすということは、ある意味理想なのではないでしょうか。
最近の年寄りは「ピンシャンころり」という合い言葉があるぐらいで、ずっと元気で死ぬときはコロリと家族に迷惑かけずに死ぬというのが夢だと言います。本当にその通りだと思います。長患いは、家族も本人もつらいものね。
心臓に限らず、肺や脳にもそういう薬があればいいよねえ。

と、ドラマとはだんだんずれた方向に話が行ってしまいますが。

さて、椎名桔平。
私は別に彼はだめな役者だとは思いません。確かにそりゃあ、椎名桔平だったら、香川照之にすればいいのにとは思いますよ。でも、それほど演技力がないわけでもないと思います。
ただ、彼にはもう一つ何かのチカラが足りないのであります。なんというか、主役を演じるどっしりとした存在感がない。オーラの強さが少し欠けているような気がするんですね。つらい過去を過ごしてきた少年が「見返してやる」と世界的な発明をする医師になる。それだけ強い心で意志を貫いてきた何かというものがにじみ出てこない。非常に残念です。
でも、それはそんなに悪いことでもないかもしれません。これからのストーリー展開いかんによっては。
まあ、問題になるのは滝藤賢一でしょうね。
なんというか……気持ち悪いんだよwww 彼が画面に出ると、スゴイ不安感が押し寄せてくるのよ。
そうでなくても、風貌がちょい怖い感じなのに、目をむきだしてすごみきかされたら、子どもは夜泣きするの確実ですよ。ていうか、あのルックスの役人なんて大丈夫なのかと思うわ。

そんなこんなで、フジとNHKでは、切り口は全く違う久坂部原作でございますが、両方これからも楽しみたいと思っております。

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