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浅草芸人列伝番外編~森会長を漫才協会へ

【漫才協会所属。誰よりも舞台袖で他の芸人のネタを見てきた男が綴る意外な芸人のスゴイところ】

突然ですけど「ミセス・ノイズィ」っていう映画見ました?
ひと昔前に話題になった「騒音おばさん」。布団を叩きながら大声でわめき散らし、ご近所トラブルを起こして有名になった女性。彼女をモデルとして描かれた映画なんだけど、ここ最近見た中ではナンバーワン。是非観て欲しい映画です。

前半は彼女の家の隣に引っ越してきた家族から見たおばさん。ちょっと変わった迷惑な人。その印象が映画が進むにつれて変わっていく。なぜそんな迷惑な行動をとるのか、おばさん側の目線から語られていく。

逆側の目線から見ることで印象がまったく変わる。

最近の森喜朗オリンピック組織委員会会長の失言問題を見てて、ふとその映画の事を思い出しました。そこで今回は「騒音おばさん」ならぬ「騒音おじいさん」森会長の話です。

森会長、この方は総理大臣時代から何度も何度も暴言、失言を繰り返してます。「日本は天皇陛下を中心とした神の国」とか「子供を産まない女性を税金で面倒見るのはおかしい」とか数限りない。

今回の問題発言に関しても「許せない!」「謝罪しろ!」「ふとんみたいに叩かれろ!」とか言われてますが、まずは「なんで問題発言を繰り返すのか?」を森さん目線で考えてみたいと思います。

漫才協会の先輩芸人にこんな話を聞きました。

「森さんてのはさー、漫才とか落語が好きでさー、昔は寄席にもよく来てたんだよー。で、お付きの人がさー『今日は森が来てます』って教えてくれんの。だからネタの中でイジってやるんだよ。『今日は喜朗ちゃん来てるってよ』『誰だ喜朗ちゃんって』『森の喜朗ちゃんだよ』『馴れ馴れしいよ!バカ!』そーすっと喜ぶんだよー」

どうやら森さん、お笑い大好きみたいです。

だからたぶん、寄席に通って芸人が笑い取ってるのを見たら自分もやってみたくなっちゃったんだろうな。ウケたかったんだろうな。

でも残念ながら笑いのセンスがない。毎回スベる。そしてスベってる事に気づかない。この「スベってる事に気づかない」ってところが一番の問題だと思うんですよ。

なぜ気づかないか?気を使って周りが笑うから。「あ、俺ウケてる」って勘違いしちゃう。この繰り返し。

問題発言、暴言、失言って言われるもののほとんどがこのパターン。

以前問題になった杉田水脈議員の「LGBTには生産性がない」っていう問題発言にしても、内輪ではウケてるはず。「よく言ってくれた」って賞賛する人々がいるはず。

これ「ファンクラブの笑い」です。そりゃファンが集まってる場所ならウケるよ。盛り上がるよ。「もっと言ってくれ!」ってなるよ。

でも老若男女いろんな人たちが見に来る寄席ならスベる。絶対スベる。

「あれ?単独ライブでやったらめっちゃウケたのに寄席でやったら全然ウケねえー」って良くあるよ。かくいう私自身、漫才協会入って最初の頃は「他のライブで一度もスベったことないネタが全然ウケねえー」って事よくあったもん。

だから森さんには「スベる」っていう経験をしてほしい。身をもってスベる痛みを体験してほしい。漫才協会に入って内輪だけじゃない客の前で喋ってほしい。

ちょうど今現在85才の現役ピン芸人、ナンセンス岸野師匠が相方探してるので時期的にも年齢的にもピッタリ。ナンセンス岸野とノーセンス森のコンビ「Wセンス」見てみたい!

森会長を漫才協会へ!



金谷ヒデユキ

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