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スカウトされるコツ

前回、内海桂子師匠との思い出を書きましたが、実は桂子師匠とは漫才協会に入るより前に映画で共演していたことを思い出しました。

今を去ること5年前。2015年6月13日公開の映画「道しるべ」。この作品で内海桂子師匠と初共演しました。芸人としてではなく、男と女、いや男優と女優として。

田中じゅうこう監督のこの映画。オレオレ詐欺をテーマにした映画なのですが、主役が4人います。

ナベプロの元祖アイドル。「あいたくてあいたくて」のヒット曲を持つ国民的歌手、園まりさん。

俳優座花の15期生。青春スターとしてデビューし、その後劇団四季で活躍する、浜畑賢吉さん。

仁義なきシリーズでお馴染み川谷拓三さんの息子、仁科貴さん。

そして無名のシンデレラボーイ、金谷ヒデユキ。

この4人が主役。

そして偶然にもこの映画とちょうど同じ日に公開されたのが、是枝裕和監督の「海街ダイアリー」。こちらも4人姉妹が主役の映画。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、この4人が主役です。

つまり何が言いたいかと言うと、私が広瀬すずさんと同じポジションだという事です。フレッシュさでは、ほぼ一緒。

それはさておきこの映画の撮影の時、監督に聞いてみました。「何で今回この映画にキャスティングされたんですか?」と。

すると監督から返って来た答えは「いやー、僕はずっと金谷くんのファンでねー。ずーっと金谷くん主役で映画を撮りたいなーって思ってたんですよ」。

なんて嬉しいお言葉!しかし次に続く言葉を聞いて次第に疑問符がニョキニョキ生まれてきました。

「金谷くんが出てた『ボキャブラ天国』も見てましたよー。僕は金谷くんのコントが大好きでねー」

コント???

「金谷くんの顔芸も大好きでねー」

顔芸??????

あれ?コントも顔芸もやったことないんだけどなー?

その時脳裏に浮かんだのはこんな言葉でした。

「もしかして…監督…誰かと間違えてキャスティングしたのかも?」

例え人違いだとしても、これも何かの縁。人違いで映画に出られるのならこんなラッキーな話はありません。何食わぬ顔で主役を務めさせて頂きました。ごっつぁんです!

結局この映画の中では桂子師匠との共演シーンはなかったのですが、撮影現場を見学。当時91才の桂子師匠の声量にビックリしたのを覚えています。

そして今話題になっている伊勢谷友介さん。この方とも映画で共演しました。

2000年9月9日公開、犬童一心監督の映画「金髪の草原」。こちらは伊勢谷友介さんと池脇千鶴さんのダブル主演。

私がやったのは「頭のおかしいバイオリニスト」役。この時も同じように犬童一心監督に聞いてみました。

「なんでこの役にブッキングされたんですか?」

すると監督から返って来た答えは。

「実は以前、金谷さんが六本木でCDを買っているところを偶然目撃したんですけど、その姿がずーっと印象に残ってたんですよ。それでこのバイオリニスト役は誰がいいかな?って考えた時に、金谷さんの姿が真っ先に思い浮かんで、これだって思って決めました」

え?そんなキャスティングあるの?

そんなに印象に残ってたの?

いったいどんなCDの買い方してたんだ?俺。

たぶん「頭のおかしいバイオリニスト」役に抜擢されるくらいだから、相当「頭のおかしい買い方」をしてたんでしょう。狂ったようにCDを探してたんでしょう。

「うおおおおおおお、これじゃねえー、これじゃねえー、俺の欲しいCDはこれじゃねえー、どこだー、どこだー、俺を満足させるCDはどこにあるー!」

どこで見られてるか分かったもんじゃねぇ!油断もスキもあったもんじゃねーな!あー恥ずかしい!

そして内海桂子師匠と同じく、伊勢谷友介さんとも共演シーンはなかったので伊勢谷さんとの思い出も特にありません。

それにしても何がきっかけで映画に出る事になるか分からないですね。原宿でスカウトされてデビューするって話はよく聞きますが、六本木でCD買ってる姿を見られてスカウトされるとは。

また映画に出たいので、明日は六本木にCD買いに行ってこようと思います。

今、CD売ってるのか?


金谷ヒデユキ

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