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自分は何者になれたのか ~VRChatを始めて半年後、BOOTHをオープンした話~

こんにちは、かなきちです。
この記事では、創作をしたくてVRChatを始めてからBOOTHをオープンするまでの半年間、何を考えて何を大切にしてきたかを綴りたいと思います。


1. かなた基地について

かなた基地は2023年の七夕にオープンした、BOOTHにある小さなショップです。

扱っているのはVRoidの衣装・グッズです。現状それしか作れないので…。
看板娘の彼方ちゃんを筆頭に、天文をテーマにした衣装やグッズを中心に作っています。とはいえ、1個も買われていない商品も多く、全然自慢できる規模ではないのですが、興味があれば見てみてください…。
VRChatを始めた当初、今後創作でやりたいことを考え直し、その中に「ブランドを創る」という目標を掲げました。ただしその時は、BOOTHで商品を売りたいなど具体的なことは考えられていませんでした。

2. BOOTH開設宣言まで

考えたこと:自分も周りの人に押されて夢を成し遂げたい
大切にしたこと:周りの人との関わり

2-1. 何者かになりたいという衝動

私がVRChatを始めたのは2023年1月。始めるまでの経緯は以下記事にまとめています。

VRChatを始めた当初から私はVRoidを使い続け、衣装や小物をBOOTHで買ってアバター改変をしていました。同じ時期に始めた人たちと友達になり、一緒にワールド探索や会話を楽しむ日々。しかし数ヶ月すると、気持ちに変化が起きました。

いわゆる、周りがいろいろな活動を始めたことによる、自分も何者かになりたいという衝動。不安や焦りを生むこの衝動と向き合う必要が出てきました。

深く悩むこともよくあるよね

2-2. 常にキラキラしていたい

話は少しそれますが、私はロックバンドが好きでよくライブハウスに行きます。好きな理由はいろいろあるのですが、1つは同じ時代を必死に生き抜いていく姿とその言葉にしびれているからでしょうか。
あまり過去に執着がなく今この瞬間カッコいいのが一番大事という私の性格もあり、常にキラキラしていたいという価値観が私に染み付きました。

これが他人との比較に走ると、不安や焦りが大きくなっていたと思います。しかしこのキラキラしていたいというのは心の持ちようという計れない主観的なもののことで、
 ・皆それぞれ頑張っていて皆カッコいい
 ・高く評価されることよりも心が動いていることが幸せ
と結びついていたため、他人との比較でネガティブになることは避けられていました。ポジティブなのか謙虚すぎたのか分かりませんが。

2-3. 友達の活動からパワーをもらう

私は友達の活動から多くのパワーをもらいました。

一番影響が大きかったのは、VRChatで初めてできた友達がBOOTHを開設したことです。その友達はいち早くコミュニティに溶け込み、いつも幸せそうにVRChatを遊び、BOOTHも始めました。コミュニティに溶け込むのも遅かった私から見ると本当に常に私の行きたい先を歩いていて、正直今はそれほど輝いていないんですけど当時はとても輝いてて、頼りであり憧れでした。BOOTH開設は私も自分事のように嬉しかったです。
ここでBOOTHを開設するというアクションは自分にも合っているのではないかと気づきました。
 
他にも周りの友達がどんどんイベントキャストや執筆、ワールド作成などを始めて輝かしいばかりでした。私もBOOTH出店を早めにしたいなと考えている中、最後の一押しがありました。
5月後半、私の友達の一人が両声類になることを宣言してトレーニングを始めました。いろいろ考えた中での決断、夢に向かって頑張る姿、とてもカッコよくて、私もいてもたってもいられなくなりました。そして私はその数日後、BOOTHを開設することを宣言します!勢いですね!!

このように振り返ると、何者かになりたい、何か行動したいという衝動の初期はなんとかプラスに持っていくことができました。それは友達を尊敬し大好きになれていたからだと思います。本当にありがとう。

本当にいつもありがとうだよー!

3. BOOTHオープンまで

考えたこと:どうすれば楽しく続けていけるか
大切にしたこと:他のショップさんを尊敬すること

3-1. オープンするのは簡単だけど…

さて、BOOTH開設を宣言したわけですが、実はBOOTHで自分のショップをオープンすること自体はさほど難しくありません。特に私はVRoidを触っていたので、クオリティを問わなければ出せるものは既にありました。私に限らず、初めてVRoidを触る人でも何かの参考動画を見れば短期間で何かは作れますし、Blenderでも同じかもしれません。無料で置けばアフターフォローをしないこともできますし、細かい規約も必ず作る必要もありません。

なのでBOOTH開設を宣言したこと自体は、あまり私にとって意味がないのです。常にキラキラしていたいので、単発にならないようブランドとしてどう作っていくかが大事でした。

3-2. ブランドを創りたい!

私が創作で何をしたいのかを考えるとき、koboreの「テレキャスター」という歌をよく思い浮かべます。

僕にとっての音楽はさ 偉くなったり有名になったりすることじゃなくてさ
僕にとっての音楽でさ あなた1人を笑わせることができたならそれでいいんだよ

テレキャスター/kobore

私にとっての創作もまた、偉くなったり有名になったりしたい訳ではありませんでした。使いやすい物を幅広く届けるよりも、自分が楽しいと思うこと、自分らしさで誰かにぶっささるものを届けたい
なのでショップで効率的に売り上げを伸ばすためのノウハウは私は持っておりません。それを期待して読んでくれた方、すみません!

なんとなく目的が見えたところで、戦略を固めます。
他人との比較でネガティブになることを避けていたと先ほど言ったものの、BOOTH上には星の数のショップが存在するため、常にそう言える自信はありませんでした。そのため、楽しく続けていくための戦略を2つ立てました。

戦略1:コンセプトを固める
私は天文が好きだったため、星や宇宙に関することなら楽しんで作ることができると思いました。そして幸運なことに、星や宇宙だけを専門として衣装を出しているVRoidショップはまだありませんでした。そのため、星や宇宙に関する衣装を専門に作るショップとしてコンセプトを固めました(今は100%ではないけど)。クオリティでは他のショップに敵いませんが、このコンセプトと情熱は真似できないだろうと自信をつけていました(ただやはりコンセプトを絞った分見てくれる人はごく僅かで、苦しみがなくなったわけではありませんでした)。

流石に全88星座のハイライトを作るショップは他にはいない…

戦略2:看板娘を立てる
ショップの看板娘として、彼方ちゃんを立てることにしました(この記事のサムネの子です)。オリキャラへの愛情は自信があったため、自分が簡単にショップを諦めないようにする作戦です。

他にも、幸運なことがありました。それは大好きで尊敬するショップがたくさんあったことです。私は自分で作るよりも他のショップの衣装を着ることがほとんどで、買う際は衣装単品ではなくショップを見て、どんな方が何を考えて作っているのだろうと考えて買います。その中で好きなショップさんがたくさん増えました。
他のショップさんは衣装制作に時間をかけて一生懸命頑張っている、一方で私はVRChatで遊ぶことが中心なため、他のショップに敵わなくて当然。
比較対象ではなく、ともに盛りあげていく仲間だと思えた点、尊敬できた点が精神的に良かったのかもしれません。

3-3. 宣言した効果

私は有言実行はあまりしないタイプです。
責任を持ちたくないから、突然発表して相手を驚かせたいから、が主な理由でしょうか。
でも今回つられて宣言したことで、周りの友達が応援してくれたことが本当に嬉しく、自分一人で築いたショップではないような感覚になりました。

そんなこんなで無事、2023年7月7日七夕の日に、VRCを始めてから約半年という予定よりも早いタイミングでBOOTHをオープンすることができました!!

ちょうど七夕に被せられたのはラッキーでした 🎋

4. まとめ

4-1. 誰かの何かが変わってくれることを願って

星や宇宙に関する衣装を作って誰かにぶっさしたい、がショップコンセプトですが、意識する対象は他にもいます。それは、いつも見てくれている私の友達です。
ここまで話してきたとおり、私はBOOTHを開設するにあたって、
 ・イベントキャストを楽しむ友達
 ・イベントを開く友達
 ・コミュニティをまとめてくれる友達
 ・継続して記事を書いている友達
 ・綺麗な写真を投稿する友達
 ・改変や声で理想の自分を追及する友達
などから、多くのプラスの影響を受けました。私も同じようなお返しができるんじゃないかと信じています。
 
だから、たまに「自分VRoidじゃないから衣装買ってあげられなくてごめん」とか言われることあるんですけど、正直買わなくてもいいから私のこと見てくれればいいし、それであなたの今日の気分がほんの少しでもプラスになったら私はとても嬉しいのです。

4-2. 何者になれたのか

何者になれたのでしょうか。今でも私は皆にとって何なんだろうと思うことは絶えません。が、あまり考える意味はないかもしれません。何を達成しても自分ではきっと取るに足らないように思えるでしょう
Half time Oldの「なにもの」という歌が私はかなり好きなんですけど、その影響も少し受けているかもしれません。BOOTHをオープしたことは大きい出来事であるようで、今となってはただの通過点、人生においては粗末なことかもしれません。

ただ、私は何者でもないかもしれないけど、「かなきち」という名前があります。
あなたもあなたが何者であるかは関係なくあなたの名前があり、ここに存在しています。

私はBOOTHで商品を売ることはできても、Unity上で服を改変した経験はごくわずかです。「何もしていない」という人でも、VRChatではVR空間に自分のアバターを準備して来ているわけですから、凄いと思います。他にも真似できないことはたくさんありますし、だから私はあなたが同じ時間/空間に存在してくれるだけで時には興味深く、時には愛おしいのです。

何者とか考えなくても、ちゃんとあなたの歩んできた道はあなたの名前の中に蓄積しているから大丈夫。
それでも何かになりたくて迷ったら、自分が熱中できることは何か考えて、それを楽しんで欲しいなと思います。

以上、BOOTHでショップをどのように作ってきたかの話と、何者になれたのかの話、2つあったため長くなってしまいました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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