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杉山久子の俳句を読む

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俳人の杉山久子さんの俳句を不定期に一句ずつ鑑賞します。 【プロフィール】 山口市在住。「藍生」「いつき組」所属。山口新聞俳壇 選者。俳句甲子園地区予選審査員。 1997年 第三…
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#ヒヤシンス

杉山久子の俳句を読む 23年04月号

彗星のちかづいてくるヒヤシンス(句集『鳥と歩く』所収)  彗星は大きな離心率をもち、太陽に従順な惑星たちを横切って放埒な楕円、あるいは放物線を描く。我々の太陽系を一度しか過ぎらないものもあり、何十年、何百年の周期で幾度も訪れるものもある。掲句は後者だろう。近づくという言葉を使うのだから、作者は彗星の訪れを予期しているはずだ。喜んでいるのか、もしくは恐れているのか。  彗星とヒヤシンスの球根は、姿もどこか類似しており、いずれも時間をかけて美しさを顕わにする期待感がある。彗星は