杉山久子の俳句を読む 23年02月号③
きさらぎの猫の眼浅葱萌黄色(句集『猫の句も借りたい』所収)
句の後半にきて、猫に詳しい俳人たちはおや、と思う。
「猫の眼浅葱萌黄色(あさぎもえぎいろ)」とは、左右の目の色が異なるいわゆるオッドアイだが、和語でも「金目銀目(きんめぎんめ)」という言葉があるのだから、12音から6音に節約できるのではないかと。そうすれば、もっと多くのことが言える。
しかし猫の虹彩には青、緑、黄、橙など様々な色合いがあり、オッドアイの組み合わせにも幅がある。「浅葱」「萌黄」と書くことで、掲句は