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杉山久子の俳句を読む

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俳人の杉山久子さんの俳句を不定期に一句ずつ鑑賞します。 【プロフィール】 山口市在住。「藍生」「いつき組」所属。山口新聞俳壇 選者。俳句甲子園地区予選審査員。 1997年 第三…
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#俳句ポスト365

杉山久子の俳句を読む 23年02月号②

鳥雲に帽子ケースの中真青(『俳句新空間 BLOG俳句空間媒体誌 No.17』所収)  「鳥雲に」は仲春の季語「鳥雲に入る」の傍題である。この季語が一句の上五にあれば、避寒の地に別れを告げ、子を産み育てるため、遥か北方の故郷をめざして真っ白な雲に吸い込まれる鳥の群れが、読者の心の空に現れる。大きな景である。私たちが北の地における彼らのこまやかな営みを見ることはない。私たちが空の高きに見るのは、いつも旅立ちだけである。  帽子の収納場所は様々だ。帽子専用のハンガーに掛けっぱなし