皮膚をください
午前2時を超えた。
アトリエでミシンの音が聞こえる。縫製のくまちゃんが踏んでいる。
パターンを触る音は紙の味がする。
じゅんきが新しい服のパターンを作っている。
ずっと見たかった景色が、やっとさっきみえた。
やっとさっきみえたんだ。
沢山のいろんなことを無視してやっと見つけたのは、
彼女から彼女を無くす方法について。
12月を超えて発表の19日まで2週間を切った。毎日新しいトワルを作っては捨てる日々が続いていた。
どれだけ考えても、何千回とピンを打っても、結局さんに辿り着いては、元に戻る。
新しいと願ってもぜんぶ結局さんの顔をしていた。
結局さん。をもう見たくないのです。
きゅうは新しい言葉を沢山覚えた。
おするばん
アンキロサウルス
おしもろい
まったくもう
まったくもう、は、ドラえもんから教わったようだ。
とはいえ、辿り着いたんだ。
12月19日から21日まで
良かったら
キチムに逢いに来てくださいませ。
富ヶ谷のお店を冬支度。
ラスト14日間。
皮膚をください。
とても大切にするから。