半分、青い

あお しろ まぜる 何?

blue.

ぼくが初めてきゅうに出したクイズの答えはblueだった。


今日空みた?

きゅうは空を見上げると、

しろ あお まぜる。

晴れた空の色の言葉。



僕はこれが大好きで、なるべく毎日聞くようにしている。助詞はまだ教えないようにしている。


助詞のない言葉のつながりは、意味を複数にする。オリーブを含んで、含んだままワインを飲む。

酸味が混ざった、と思ったけれど、きっと違って、あか くろ まざる。が一番正しいんだと、思った。


金曜日 土曜日 まざる時間に長野駅前で1人で飲んでいる。テーブルにはチーズ、オリーブとピクルス。名前の知らない草が皿の上に乗っている。食べても食べなくても良い草はきっと味がなくて匂いのある草だろう。


書いているうちに気になって食べたら香りよりも苦い。香りよりも苦い。思わず笑った。


あか みどり まぜる。安いグラスワインにはこの草がちょうどいい。


明日の早朝、東京に向かって夕方にはまた長野にいる。5-22と目の前に緑に光る数字が何を意味するのか考えて、それが冷蔵庫と冷凍庫の温度だとわかってしまった。わかってしまったらもう見る気もしない。


そう書いて、でも、もう一度だけ眼を向けたら


3-22

と別の数字があってびっくりしました。わかっただなんて、言ってごめんなさい。

気になってしまって眼をあげる。

4-22

降伏した。


僕はなにかをかいているようでいてなんにも書いていない。3年くらいほとんど文を書かない日々が続いていたから、なんとなくリハビリをしている気もする。


言葉を書いているというより、言葉について考えているだけの文章なので、つまらないかもしれない。


4-22


9月が終わる。


見知らぬ人はどこにいてなにをしているんだろう。ぼくは見知らぬ人を知らないから、どこでなにをしているんだろうと思っても、だれのことも思っていない。


840万。今日聞いた数字にこころが折れている。


6-22


こころは球体だから折れない。病み上がりの喉に赤を注ぎ込むと、AにもBにも行ける、二重人格、わたしAっぽいって言われるけど、OはやっぱりこだわりのOだから、ポテトサラダと、だからBじゃないの、Bは自己中で、っあそうそうそう、旦那はそうだっけ、うち旦那はAですよ、5-23、


耳から入ってくる言葉に僕の指先に届く前の言葉が負けて消えた。


月末の金曜日と土曜日がまざる前にはこんなことはよくある。1人でここにいる僕が悪いから、怒りは全くない。うるさいと、思った。


そろそろ、服について、語ろうか。


そう願って、おやすみなさい。


読んでくれてありがとう。


見知らぬ人よ、見知らぬままでいてくれ。


見知らぬ人よ、見知らぬまま、どこかで会えないだろうか。僕はそこにいないまま、どうか会えないだろうか。