2019年のアメリカ自動車販売は微減

アメリカ市場でコンシューマー向け機械の販売企画、受発注を担当しています。自動車(乗用車とピックアップトラックの合計)の市場は、私の担当製品と需要動向が重なる面があると考え、販売動向をフォローしています。
こちらの自動車産業ポータルMarklinesから統計を見させていただきました(https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_usa_2019)。

2019年の総販売台数は1.3%減の1704万台

2018年の1727万台から微減となったが、1700万台の大台を5年連続でキープしたという見方が強い。米国は2008年のリーマンショック後、2009年7月から景気拡大局面が10年以上続いている。これは1800年代の調査開始以降最長という、未曾有の拡大局面となっている。
FRBによる利下げによる消費の下支え効果もあり、未だに景気が頭打ちした=縮小局面に入ったという兆候は見られない。CNBCの記事においても、以下の分析がされている。「Cheap and available credit, low unemployment rates and healthy consumer sentiment all contributed to a robust market for U.S. auto sales in 2019」(*1)
因みに、私の担当するコンシューマ向け機械市場においても8年間市場規模の拡大が続いている。バブルがいつはじけるかと言われつつも、蓋を開けてみれば毎年好景気が継続し、市場規模は10年で2倍近くになっている。

2020年の市場展望

先ほどの記事には数人の自動車業界アナリストや調査団体が登場するが、2020年の市場規模予測はそれぞれ1670万台〜1710万台のレンジとしている。つまり、微減〜ほぼ横ばいというのがコンセンサス。
上記した低金利、低失業率等に支えられ、2020年もアメリカ経済は堅調に推移するであろうというのが大勢の見方。
少数意見として、2019年の第四四半期に米国における消費者支出の伸びが低下しており、消費の伸びは限界に近づいている=2020年は縮小局面に入っていくという見方もある。(「the consumer may not be capable of single-handedly carrying the economy in 2020, which is why we are expecting another decline in new-vehicle sales.」)

・・・現地で生活して現地人と話をしている限りでは、不景気の兆しというものは特に感じられず、記事に書いてある見立ての通り2020年も緩やかに市場は伸びるのではと考えています。
追って、担当製品における2020年の市場見通しを掘り下げて考えたいと思います。

出典

(US auto sales fall in 2019 but still top 17 million for fifth consecutive year, 
https://www.cnbc.com/2020/01/06/us-auto-sales-down-in-2019-but-still-top-17-million.html

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