じいちゃんの話①

じいちゃんのお母さんは、じいちゃんが小さい時に亡くなったらしい。

物心ついた時には継母さんがいたそうだ。わたしのお父さんはこの継母さんにとっても可愛がってもらったみたいなので、いろんな思いの中で前向きに生きてきちんと認められた人なんだろう。

「あそこの家は継母だから。」なんて言われないようおじいちゃんを立派に育て上げようと心に決めた。

ーーその結果、おじいちゃんはほんとうにのびのびと育った。

高校生の頃は修学旅行で来た東京でウイスキーを飲んだり、学校近くの池でボストンバッグにチェーンを忍ばせた地元の高校生とケンカまがいのことをやったりしていた。

本人曰く、勉強もそれなりにできたようで大学進学も目指せると言われたらしいが、「商売の方が面白いに決まっている」と考えたじいちゃんは、大学には進学せず、家業を継ぐことに決めた。


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