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変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第三十五話

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
三十五話です。久々なので、リハビリ回です。

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【不思議な家と僕がオバケになるまで】第三十五話
「ホテル・フェアモンド・ミステリーメリー⑥」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ  元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。
・コンシェルジュ 〝不思議の家〟のスタッフ。


思えばあの時にあの部屋の内見を言い出さなかったら、こんなことにはなってなかったのかもですね…。

「食べた後はカフェでお茶に限るよな。おあつらえ向きに無料コーヒーコーナーだってよ!」
「人間のホテルも気が利くなって思ってたけど、その辺はこっちも変わらないんだね。」
「おい、あの席のオバケ。キツネが気になってるオバケじゃないか?」
「え?あ、本当だ。オバケさんだ。…ねぇ、アコ。」
「行って来いよ、気になるんなら本能に従えってな!イシシ!」
「ありがとう…行ってくる!」

あの時の再会も嬉しかったんですよ、また会えたって。
なんかもう不思議とアナタだって分かるようになっていて、それも相まって…嬉しかったな。

『貴方タシカ二階で会ッタ…部屋ハ決メラレテナインデスネ。』
「ハイ!ここに居るってことは、オバケさんも内見中だったんですね。…良かった、また会えて。」
「…中々イイ部屋ガ無クテ、癖ノアル部屋多スギルシ。」
「確かに…色々楽しめはしますけど、住めるかと聞かれたら…中々大変ですよね。」
「ハイ…中々ト言ウカ、凄ク大変デス、〝元人間〟ニ優シイ部屋ハ…ナインデスカネ?」
『お部屋をお探しですか?なら、我がホテルの一室で内見をしてみては如何でしょう?』
「おわ!?コンシェルジュさん…いつからそこに?」
『さき程から居りましたとも、お二人にコーヒーのサービスをしにね。』
「ありがとうございます…、あのこのホテルにも住める場所があるってことですか?」
『いえ、ここは不思議な家のホテル〝ホテル・フェアモンド・ミステリーメリー〟ですから。ここの部屋もまた、不思議と個性に満ち溢れているのですよ。』
「…つまり、このホテルにも不思議な部屋があると。」

それが、あの部屋…〝呪われた0号室〟でしたね。

本当、ルールは守らないとだめですね。…調子に乗って、友達を置いて行った罰ですかね。
でも、オバケさんが一緒に居てくれて助かりました。
え?あ…そうですよね…こんなことになってしまって、ごめんなさい。
大人しく内見していればよかったですよね…。



続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

最近、勿体ないオバケが出ると思って食べ過ぎたら…太りました。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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