たった一度でいいから、自分の思う通りに生きてみたかった

Beauty Japan グランドファイナリスト
日本大会出場中のみやたかなと申します。

今回は、昔話を。

体が弱かったから
ウルトラ厳しい水泳チームに入れられて
今でも塩素の匂いがすると、吐き気がする

怖い英語の先生に習わされたから
今でもアメリカ人女性が苦手
でも私の発音はアメリカ英語になっていて
英国留学中は恥ずかしかった


死ぬ気で吐きながら勉強して拒食になった
なんとか偏差値50そこそこになって
中学受験を乗り越えて
大して行きたくもない近所の学校に入学した
周りはもっと頭がいいから、
私の自信は全く育たなかった

部活は1番下手だったのが悔しくて
本気出して1年で強化メンバーになり、
部長になった
センターを取って、全国大会に出たけど
仲間意識なんか育たなかった
勝つために必死だったから
仲間を愛してはいなかった
全国の後、さっさと辞めてしまって
受験に全振りした


大学受験では
数学ができなすぎて医学部に行けないから
家を継げなくて
仕方がないから私立文系に絞り
1年半で偏差値を50から71まで上げて
実家から近かった慶應に行った
第一志望の学部に通らなくて
文学部に行くことになった

私の受験は二度とも失敗


慶應に入っても
周りはもっと頭が良いから
私はまた不安になった
資格の勉強でダブルスクールする人のなんと多いことか
「またやらなきゃいけないの?」と思いながら
身の入らない資格をいくつか取った
自信は全くつかないままだった

外の人や大人と話すと「慶應ガール」の肩書きは
とてもとても便利で
「頭よくて、華やかで、話通じて、酒が強い」
永遠に慶應ガールだったら便利なんだけどな
周りの賞賛が私にかりそめの自信をくれたが
内部にいりゃそんなのは木っ端微塵
才色兼備の暴力みたいな場所だった


所詮は容姿で判断されるし
その容姿はいつか消えてしまうことを知っている
美活して結婚に向けて恋愛に精を出すも
やりたいことがない私はいつも焦っていた
このまま20代を過ごしたら大変なことになる

留学で外に自分を探しに行っても
日本人としての私は見解が浅くて
あれほどやったはずの英語のディベートに
うまく参加できない
放課後泣いてはスイス人女子に慰められていた
彼女は、本国に帰ったら憧れの看護師になる予定
彼女の輝きとのコントラストで
私には何もないんだなぁと、失望していた

厳しい卒論の合間に
就活が始まる
どこでもいい
どうでもいい
本質的な良い質問をする人が1人もいなかった
自己分析のノートは何冊にもなったけれど
本音を書いたことなんて結局一度もなかった

大企業ばかり70社も受けて
最終的に王道メガバンクに行くことなる
細かい理由は色々と挙げられるけど結局は
「待遇いいし潰しがきくだろ?」の一点

学閥の強い入行後は随分いい部署に配属されて
札束と規模で殴り合う慶應三田会の威力を知った
昭和っぽい雰囲気の中
男を煽て、酒を飲んで
仕事をして、便利な女になっていく
本気出して個人表彰を獲っても
出世につながらなかったのは
後輩を育てる気なんか1ミリもなかったから
全部、どうでもよかった

気を紛らわせるように海外に行きまくり
パスポートには
全部で約40カ国のスタンプが押されることになる

酒 仕事 旅行 婚活 美活 金
たった6つで人生を彩るしかなかった

20代後半で結婚して子供を産んだら、
人生がやっと詰んだ

ワーママの実態が地獄すぎて
「これこのままやっても人生に勝てないな」
と悟った

やっと止まった
やっと、詰んだ

母業の過酷さにやっと音を上げて
娘に恥ずかしくない女の生き方をしないと
どえらいやばい教育になることを知った

これでは、負の連鎖が終わらない

やれと言われたことをすべてやっても
幸せになんかなれっこないことを
肌で知っている
ニーズに応え続けても
誰も私の人生の責任をとってくれなかった
おかげさまでやりたいことの一つも浮かばない
とんでもない失敗作の人形が出来上がってしまった

このままだと大変なことになる
やばい30代になる
20歳の時に思ったはずなのに
答えが出ないまま放置した問題が
10年経って降りかかってきていた

今度は子供がいるから不自由さまで追加されて
銀行で出世できなかったから
マジで人生が詰んだ
20歳でやっときゃよかったのに
キツくなって今頃やってきた


就活の時に書くことさえできなかった本音は

「たった一度でいいから、
 自分の思う通りに生きてみたかった」

体が弱いままで許されたい
スパルタじゃない人に習いたい
好きなことをさせてほしい
何かを強制されない場所に行きたい
もう休ませてほしい
私に本質的な質問をしてくれる人に出会いたい
スペック足さなくても愛してほしい
頑張らなくても一緒にいられる人がいい

好きな方を選ぶのにすごく勇気がいる
得な方しか選んだことがなかったから
すごくいけないことをしている気がするけれど
それを尊重してほしい

そんなことを思って
やっと、自分の好きなものを選び始めた
得な方しか選んだことがないから
罪悪感で死ぬかと思った
お金も死ぬほど使ってどうしようかと思った

でも、もう何においても失格でいいから
自分のニーズに応えさせてほしい
もうこれが叶えば死んでもいいからと、
随分わがままを働いて
孤独になる覚悟さえも決めた日があった

「こんな私だけど愛してる?」と訊いたら

夫は初めから全て知っていたような顔をして

「もちろん愛してるよ。
全部、いいんだよ。
好きなだけ外に行って働いておいで
好きなだけ遊んでおいで
どこへ行ってもいいよ
単身赴任とかもいいよ
子育ての義務感とか責任感を全部俺に預けなよ
大丈夫だから、やっておいで」

と、まるで
「今日の夕食オムライスにしていい?」

「もちろん」
と答えるような軽さで返ってきた

夫は全部を引き受ける器で私と結婚していて

やりたくないこと全部やらなくていいよ
好きなことだけやっていいよ
君をゴロゴロさせるのが俺の特権だから

と、笑って言う

本当の自由とは、
甘美で嬉しくて
涙が出るものだった


「たった一度でいいから、
自分の思う通りに生きてみたかった」

20歳の時の願いは、
今、叶っている。

そんなの夢だと笑われて
呆れられて
最後は捨てられるみたいな人しか
叶えることはできないし
叶えたとて誰にも理解されない
自分のニーズは自分にしか分からず
他人が全く介入しないのだから

でも、
人生で他人の声が介入しない甘美さは
何物にも替え難い

私がビューティジャパンベイエリア大会の
レッドカーペットに入場する姿を見て
「泣きそうになった」と後で言ってきた人がいる


それは当然のことだ
みんな自分だけのニーズに応えて
本当の自分になってみたいはずだから

だからこの長いくだらない文章を
ここまで読んでくれたあなたに
覚えていてほしいことがある

たった1つにフルベットしな
選択と集中で自分に全振りするの

自分のニーズに応えない限り
どんなに世間様の素晴らしいニーズに応えたとて
永遠に至福は来ないんだ


読んでくれてありがとう❤️

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