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「早期に何者かになろうとすること」は幸福に繋がるのだろうか?(3/3)

前回のインタビューでは『「早期に何者かになろうとする」風潮はなぜ生まれたのか』についてお話を聞いてきました。今回(最終話)は『「早期に何者かになろうとする」風潮に対する課題感』と『「早期に何者かになろうとする」風潮に対して、本来あるべき姿』について詳しく聞いていきます。 

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3. 「早期に何者かになろうとする」風潮に対する課題感について

3-1. 個人にとっての課題感

 岡山:「早期に何者かになろうとする」風潮は人々の幸福感にどのような影響を与えているのでしょうか。
 
竹内:早く何者かにならなければ、早く成功しなければという風潮は、ファストな形になり過ぎると、本当の幸福感につながるのか疑問です。じっくり深く深く考え試行錯誤することで初めて、幸福感に繋がると私は思います。
 
岡山:竹内さんは人生を深く考えて、幸せになったということはありますか。
 
竹内:クライアントさんが人生を深く考えて幸せになることをご支援するのが私の幸せです。誰もがいつの時点で、何をやりたいかを真本音で無意識におよそ決めています。

しかし、無意識なので、本人は気付いていません。誰しも深層心理レベルでは明確に人生の道を決めており、何をしたいか?についても「本当の答え」を持っています。

その深層心理レベルの答えに近づけば近づくほど、人は幸せになっていくんだな、というのをいつも実感しています。人によってペースや進み方があるので、そこを私がご支援させていただいています。

ITSUDATSU社顧問•アドバイザー 竹内直人氏

岡山:焦りや不安に迫られて、人生を浅く考えてしまっても、幸福にはつながらないですね。一方で、自分が真本音に近づくと、安定した企業での正社員など社会のレールから外れるのではないか、という懸念を持つ方もいますが、どのようにお考えですか。
 
竹内:まずはやはり、インターネットの情報で意思決定するのではなく、自分の想いから意思決定することが極めて重要です。つまり、「内側からの矢印」による意思決定ですね。

焦りや不安に駆り立てられて、意思決定をしている方は「外側からの矢印」で生きることになるので、何時まで経っても、不安に苛まれます。自分の内側からの意思決定が、本質的な安心感・安定感につながります。

以前に、有名企業に入社して多大な業績を残して表彰された方がいます。しかし、彼は表彰された後になって急に不安になりました。後輩にいつか抜かれるのではないかという不安です。

そして、ついに鬱病になってしまいました。社会復帰のために随分と時間がかかってしまいました。

「外側からの矢印」で生きてしまえば、成果が出たとしても、いや、むしろ成果が出れば出るほどさらに不安になる。それが私達人間ではないでしょうか。 

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3-2. 企業にとっての課題感

岡山:昨今の企業では新人をじっくり育成するよりも、即戦力が求められているように感じます。このように「早期に何者かになろうとする」風潮は企業でもあるかと思いますが、本当に経営に良い影響を与えているのでしょうか
 
黒澤:社員が自分の意志ではないところで、本当の実力ではなく(会社のブランドなどで)、成果が出て、勘違いしてしまい、このままでいいやと現状維持に向かってしまうことが最も怖いと感じています。

そしてその成果を他の社員にも当たり前のように求めるようになると、極めて危険な組織になると思います。
 
竹内:社員が疲弊しているのに成果が出ている企業は最も危うい企業ですね。
 
黒澤:真本音・真行動・真成果という考え方が大切です。自分の器に見合った成果を受け取るのが良く、あえて言えば、真っ当な自業自得でしょうか。ここがズレてしまうと、益々悪い方向へと向かってしまいます。
 
竹内:私達人間は単純なところがあり、悪いことをして成果が出ると、また悪いことをしてしまいます。今の経済は過当競争で、その分、不正も多いですね。不正が発覚しない限り、不正をする人が得をするという傾向すらあります。

昔は「最初から真っ当に勝負していては負けてしまい、汚いことが出来ない人は経営が出来ない」という声を聴くことさえありました。

今の時代では企業のコンプライアンス意識が高まったとは思いますが、未だに成果のためには手段を厭わないという風潮はあるのではないでしょうか。

4. 「早期に何者かになろうとする」風潮に対して、本来あるべき姿について

岡山:他人や情報から煽られても良いことは何もないと思いますが、本来はどうあるべきなのでしょうか
 
竹内:何度も同じことを申しますが、やはり「内側からの矢印」で生きることですね。まずは1日1日を大事にすることが重要です。今日何をしようとするのかを“自分で”決めるのです。

自分の頭で悩み、自分の中の問いを明確にし、その問いと真剣に向き合い、問いの解をまずは自分で決めるのです。

このような習慣が身に付くことで、情報を使いこなせるようになり、情報に踊らされないようになります。若いうちからこの習慣が身に付くと、強く生きることが出来ますね。

企業へのサポートでも同じことを行っています。例えば、営業マンの方には、一つ一つ、このお客さんに何をご提供しようかを自分の意思で考えていただきます。

経営者の方には、成果を出すために惰性で行ってきたものに対して、本当はどういう組織を創りたかったのか、原点の問いに立ち返って、1日1日の行動を決めていただきます。

このような積み重ねが極めて重要であり、このような積み重ねがあると、インターネットで流れている情報の「浅い・深い」の区別がつくようになります。また、情報をキャッチする感度が高まります。

一つ一つの問いと向き合って、真本音で意思決定をすることが丁寧な生き方です。真本音度合いが高まることで、自分がこの世を生きているという実感が高まります。

また、ホンモノを区別する選球眼が養われてきます。これからの時代ではそのような目が益々重要になりますね。繰り返しになりますが、日頃から自分の内側からの意志で生きることが重要です。
 
黒澤:良い時も悪い時も両方含めて、そのプロセスを味わってほしいですね。Highな状態が自分の良い状態だと誤認してしまうことはよくあるので、両方を味わうことが大切です。

私も2019年の創業当時に悩んでいたことは、今振り返るととてもか可愛く思えます(笑)。でも、当時は非常に悩んでいました。

私は悩むことは決して悪いことではなく、その悩みは「今しか」経験できないとても貴重なものだとも思います。

なので、もっともっと悩んでも良いかと思います。成功も失敗もどちらも人生の宝物だと考えられる方が楽しい人生を送れると思います。
 
と、言ったところで・・・・これまでの話を全部ちゃぶ台返ししちゃいますが(笑)、実は今の私は「早期に成功しなければならない」という悩みを持っています(笑)。

しかし、これは私が真本音で達成したい目標と目的があり、そこに一刻も早く到達したいと思っているからです。目標が真本音であれば健全ですが、反応本音で作られたものだと変に焦ってしまうことは注意が必要ですね。

ITSUDATSU社代表取締役 黒澤伶氏

岡山:日々の小さなことから真本音で意思決定することの重要性がよく分かりました。また、目標設定も真本音で決められているかをよく自問自答することが必要ですね。
今回はインタビューを受けていただきありがとうございました。


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