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【3-0212】ぱくっと!観劇 E、Fブロック

【このnoteを開いてくださった貴方へ】


こんばんは、要小飴と申します。


関西にある遊気舎という劇団の末席に身を置き、演劇に勤しんでいる者です。平日昼間は保育園の先生をしています。


このnoteは、そんな私が日々の所感を記録しながら、自分の思考を再確認したり、自分なりの表現を探したりする、そんなものにしたいと思っています。

一足早く千秋楽を迎えたため、今日は客席でEブロックとFブロックを拝見。先週のA、B、Cブロックは、予定と身体と心の調整が出来なくて観られずじまいだった。参加していたDブロックも、これはそもそも観られない約束だったので、この4ブロックは三月に公開されるという映像配信で観ようと思う。

で、EブロックとFブロックだ。短めに、感想を残しておこうと思う。

13時開演 Fブロック
・にほひ『海へゆく花筏』…以前、タイトルを見たときに、「ああ、海に行ったらもう会えないな」と思って寂しかったのを思い出した。舞台上をゆっくりと歩く女性。雨が降り出すと足取りが軽くなって、そこからどんどん雨が人物たちを包んでいった。そのとき私は、「あの人たちは雨に守られている」と思った。雨がひとつ私と舞台上の二人を隔てて、そのおかげで私は二人をしっかりと冷静に見守ることが出来た。劇世界と芸創の空間がフィットしていて、とても素敵だった。(偶然にも同じく雨と傘、それから兄が出てきたので、あまりプレーンな感想じゃないかもしれない。そしてちょっと長くなった)

・THE GO AND MO'S『黒川の煙』…漫談、講談、コント、体操の、黒川さんのバリューパックみたいな時間。不思議なことに、途中でゲストはあったものの、黒川さん一人舞台に立っていても、全然ぽつんとならない。ちょっと悪い遊びに誘ってくるお兄さんという感じ。いつのまにか後ろをついていってしまう。それが気持ちがいい。ついていったら共犯。それが気持ちいい。

・ノラ『澄』…劇場を涙や血の色に役者が染めていく。演者たちの儚い雰囲気の根底にずっとずっと静かな怒りや悲しみが漂っていた。全員で螺旋を描くような、問い。ずっと答えが出ないこともあり得るよなぁ。

16時30分開演 Eブロック
白いたんぽぽ『ひももも』…舞台でやるのにとてもいい大道具だと思う。あれは、実在があることで見える説得力がある。映像じゃなくて、文章じゃなくて、舞台で目の前で見る。ひもに絡まっていく姿の可愛らしさと甚だしさ。カーテンコールまでしっかり使ってポップな装丁にしながら、「誰か」には救うことができない悩みをチラチラと見せていた。

うさぎの喘ギ『睡眠のパフォーマンス(実演)』…前情報からピリッとしそうだなと思っていたのだけれど、予想外な機材トラブルでさらにピリッとする。それはさておき。例えば、親とか恋人とか、保育園の子供たちとか、同じ座組みの人間とかが、寝入る姿を見ることはあっても、好きでも嫌いでもない人の寝入る姿を見ることって、稀な気がする。睡眠ってすごく個人的なことだから、私は結局一緒にうとうとしちゃった。

街の劇『凝縮へんりぃ八世』…これまたエンターテイメントの塊。遊気舎を退団された先輩、峯さんの始められた新しい団体。語り、登場人物、お囃子、全て演者二人の手から繰り出される。お話はもちろん、次は何が出てくるのか、というワクワクが続く。面白がる心を面白がる姿で伝授してもらっているようで、観終わって元気になった。これが大トリ。素敵だ。

ぱくっと!は芸術創造館が新体制になって、新しく始められた企画だ。ツイートにも書いたけれど、本当に稀有な出会いをもたらしてくれる、いい企画だと思う。初回に関わることが出来て嬉しい。初回なので色々改善点もあるんだろうと思うけれど、どんどん良くなって、何回にも渡って続いて、大阪の人に愛される企画になっていくといいなと思う。

いつも見守ってくださってありがとうございます! これからも表現活動、創作活動に勤しんでまいります。 要🍬 小飴