【3-0224】ガサガサかかと
数年前に気付いたのだけれど、踵が少しだけガサガサしている。これには結構大きな衝撃を受けた。「お母さんの踵みたい」と思ったからだ。
母は私が生まれたときから「母」であって、私にとっては母は「母然」とした「母そのもの」だった。その母の踵は、乾燥でカサカサしていた。私の踵は、多分しっとりもちもちしていただろう。娘である私と母然とした母には、はっきりとした分断がある。と、若い私は思っていたのだ。
でも、どうだろうか。あの頃私が「母然としているなぁ」と思っていた母と今の私は多分同い年くらい。いつかあの頃の母を追い抜くだろう。そりゃあ、身体もカサカサしだすわ。やっと最近、お風呂上がりに保湿クリームを塗るべきだということに気が付いた。
ある時に、役者としてどんな役をやってみたいか、という話題になって、私が「母親役」をやりたいと言うと「なぜ?」と問われた。そのときには、私がよくいただく役が「妹役、娘役」なのを説明して、だから、その対極のものをやってみたいからだと答えた。
でも、その気持ちの横にちょっとだけ、どんどん追い越してしまう「あの頃の母」をどこか意識している私がいる気がする。演じることで、「母」というものを改めて見てみたいと思っているのだろう。
いつも見守ってくださってありがとうございます! これからも表現活動、創作活動に勤しんでまいります。 要🍬 小飴