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七冊の本の話

こんにちは、要小飴と申します。

今日も快眠でした。劇作オンライン特別篇も無事第二夜まで終えて、今日で最後。昨晩も頭パンパンになって、その上お腹も空いて、深夜にカレーを食べて寝ましたが、あっという間に寝入りました。どうやら、疲労っていうのは全て脳の疲れにつながってるらしくて、逆に言うと身体が疲れなくても脳が疲れたらよく眠れるみたいですね。

さて、今日は巷で噂のあの、7日間で一冊ずつ好きな本を投稿するやつ、に倣って、7冊一気に紹介します。あのチャレンジの良いところは、7日間続けられることと、中身の説明はナシという決まりがあることだと思うのですが、私はほんのちょっとだけ中身の説明もしようと思いますので、あえてあのタグは使わずにいこうと思います。

①『不思議を売る男』(作 ジュラルディン・マコックラン)

これはすでにご紹介したことのある児童書です。

②『樹上のゆりかご』(作 荻原規子)

これも小学生の時に読んだ本のはず。今は手元になく、実家に置いてあります。この本の主人公である上田ひろみは、同じ作者の『これは王国のかぎ』という全く別の作品にも主人公として登場する人物です。

『これは王国のかぎ』では中学生、『樹上のゆりかご』では高校生。先に『これは王国のかぎ』を読んでいた私は、この本に出会って感激しました。「本を閉じた時に生き別れてしまったあの人が、生きていてくれた」というような、そんな気持ち。二作は続編ではなく、片やファンタジー、片や学園(ミステリー)ドラマと全く違う作品となっていますが、同じ人物が描かれることで、その記憶でうっすらつながりを感じる作品になっています。作中でひろみが教師から言われる「平易な言葉が使えますね」という言葉が、ずっと心に残っています。いまだ体現できずですが。


③『陰翳礼讃』(作 谷崎潤一郎)

これは、大学の終わりごろに読んだ本。大学の演劇部では照明も担当していたので、灯りのことをもっと考えたくて読んだ本でした。特に書院の窓からの明かりが障子の紙で濾過されるくだりなどは、本当に好きでよく読みました。小さいスペースで舞台の機材を使わずに公演をすることもあったので、影の出方、陰の使い方を考えるのに、心の支えになりました。

谷崎潤一郎のこだわりや嗜好が書き綴られていているので、読んだ感覚としては、宅飲みの午前二時の話と言いますか。平生他人とこんなに熱を持って「厠の話」などしたりしないですから、そこが面白いと思う点でもあります。

④『しろいうさぎとくろいうさぎ』(作 ガース・ウィリアムズ)

これは生まれたときからそばにあった絵本。母のお気に入りです。

小さい頃は、正直、ほほえましいけど、それ以上でもそれ以下でもないと思っていたりもしました。でも、絵本はやっぱり、絵と言葉が合わさって一つなんだなぁと、最近また読んで思いました。絵がとても雄弁なのですね。子供の頃にはわかりませんでした。心を動かされる絵本です。

⑤『ここはグリーン・ウッド』(作 那州雪絵)

五冊目は漫画で。私はこの白泉社の文庫本で全巻揃えていました。(これも実家)

男子高校の学生寮が主な舞台の青春もの、とでも言いますか。男子のノリがうらやましくもあり、登場人物それぞれ、超人的でもあり、不器用でもあり、愛すべき人たちです。

連載が始まったのは1986年だそうで、やや世代からはずれているのですが、私がこの作品を知ったのは、小学生のとき、まだ衛星放送と言っていた(気がする)BSの夏休みアニメ特選でOVAが放送されていたからです。しかも何回か。今ほど知りたい情報がすぐ手に入る状況でもなかったので、これが何のアニメなのか、わからないまま、でも気に入り、どうにかタイトルだけは記憶に留めていたのですが、その後、中学生になってから、本屋の文庫漫画のコーナーで偶然このタイトルを見つけ、一巻を購入しました。漫画にもめちゃくちゃハマり、コツコツ買い集め全巻揃えたのです。

どうやら今白泉社のアプリで全話無料になってるらしいので、よかったら読んでみてください。やっぱりちょっと時代的なギャップはありますけど、優しいとかかっこいいとか、好きとか切ないとか、そういうものは変わらないんじゃないかなぁと思います。


⑥『六つの手掛かり』(作)乾くるみ

なんだか小さい頃に読んでいた本ばかりになっているので、今私の本棚にあるものをと思ったのですが、この本も買ったのは大学くらいのときだっだと思います。私は一時期、乾くるみの本にハマっていた時期がありました。今も手元に8冊あります。有名な『イニシエーション・ラブ』はもちろん好きだったのですが、私が特に好きなのは、この『六つの手掛かり』です。ミステリーなので、中身を詳しくは語れませんが、林茶父(はやしさぶ)という男が主人公の六本の短編集です。

この林という苗字の人物、つまり林家の人々というのは、乾くるみの他の作品にも出てきています。『蒼林堂古書店へようこそ』『林真紅郎と五つの謎』のいわゆる探偵役をつとめる人物たちは、皆この茶父の兄弟だったりします。

そんなところも含めて、好きな作品です。

⑦『タイニー・タイニー・ハッピー』(作 飛鳥井千砂

これも今手元にある本です。珍しく恋愛小説。

タイニー・タイニー・ハッピーという大型ショッピングセンターが舞台の8本の短編が連なっています。前の話に出てきたとある人物が、次の主人公、というような形で、同じショッピングセンターの同じ時間軸で進行する話なので当たり前ではありますが、それぞれの話が全く無関係ではなく、どこかがつながっている物語になっています。それぞれの人たちがその名の通り、小さな小さな幸せを見つけようとする話。


さて、とりあえず7冊あげてみましたけれど、

いかがですか。

私は一つ気づいてしまったことがあるのです。

それは、私はどうやら、複数の人(物語)が何か一つのもので繋がっている、という作品世界が好きなようだ、ということ。

これ、私は今まであまり意識していなかったし、途中までは、「あー、これ劇作オンラインで連作オムニバスを作ってる最中だからかなぁ」と思ったりもしたんですが、今改めて並べてみると、『しろいうさぎとくろいうさぎ』以外、全部それでした。『陰翳礼讃』ですら(あれは一章一章違う場所やら情緒やらに対するエッセイですが共通の美意識に通じるものがあるので、)そう言えなくもない。驚きました。

様々なものが(それぞれ違うものが)一つにつながる、つながることができる、ということに何かしら安心感を感じているのかもしれませんね、私は。その感覚は、小さい頃も今も変わっていないのかもしれません。


それでは今日はこのへんで。

要小飴

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いつも見守ってくださってありがとうございます! これからも表現活動、創作活動に勤しんでまいります。 要🍬 小飴