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【1230】元旦は大福茶

こんばんは、要小飴と申します。

着々と近づいてくる2021年にやや恐れ慄いています。

さて、今日は一つ、子供の頃の元旦の思い出を。

その当時、私は父方の祖父母と同居しておりました。山奥の兼業農家で、田舎の、昔ながらの風習の残る家でした。

元旦の思い出といえば、梅入りのお茶と一口香。一口香(いっこっこう)というのは、長崎に昔からある、中が空洞の甘い甘いお菓子です。

元旦、起き抜けに居間のこたつの自分の定位置に座ると、まず梅入りのお茶とこの一口香が出されます。新年の一番最初に口にするのはこの二つというのが決まりでした。普段朝からお菓子を食べることなど許されない我が家で一年のうちたった一日だけの妙な習慣でした。

子供の頃の話なので、これに何の意味があるのか、なぜお菓子は決まって一口香なのか、そのへんのことは全く知りませんでした。今回調べてみまして、まず、上に貼りました一口香のウィキペディアによりますと、一口香は平戸で正月の菓子として用いられるとのこと。なるほど。うちの祖父母はいとこ同士の婿養子で、祖父は平戸出身でした。うちの家系のルーツは平戸ということです。その平戸の風習を佐世保の地でずっと続けていたということでしょう。

そして、梅を入れたお茶は、これは一般的に、大福茶というそうです。昆布も入れるようですね。

これはなんと、京都にある風習だそうで。空也上人が梅干しを入れたお茶を振る舞われたそうです。

うちだけの変な習慣かと思いきや、めちゃくちゃ歴史のあるものでした。実のところ、家で漬けた酸っぱい梅の入ったお茶も、固くて甘くてねちねちする一口香も(この記憶も正しいのか、定かでありませんが)、小さい頃の私にはあまり好ましいものではなく、年に一度の憂鬱な朝でした。でも、こうして思い出せる特別な風習というのは、自分の人生をひとつ豊かにしてくれていたのかもしれませんね。

皆さんのご家庭では大福茶飲んだりされますか?年末年始の過ごし方こそ、各家庭で色々と違いがありそうですね。色んなことがオープンに共有されがちな現代ですけれど、それぞれの家庭での過ごし方は、子や孫に伝わっていくものです。それは新たに家庭を持ったときだけでなく、こうやって帰省の出来ない年末年始にも、それぞれの家で実家を思いながら過ごすためにも必要なことなのかもしれません。

私の、父方の祖父母との生活は、小学五年生までだったので、それ以降は元旦最初に食べるのはもっぱら数の子になってしまったのですが(数の子が大好きなもので)、明後日は朝から梅昆布茶でも飲んでみようかなと思います。

それでは、今日はこのへんで。

また明日!

要小飴🍬


いつも見守ってくださってありがとうございます! これからも表現活動、創作活動に勤しんでまいります。 要🍬 小飴