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インフルエンサーが破壊したキャンプ文化

 こんにちは「かなめ かいじ」です。
ライター業を齧り始めて5年程経って、キャンプ系の記事も多く書きました。そこで思った「キャンプブームに乗っかって現れたインフルエンサーたち」の話をしようと思います。

キャンプブームによってあらゆる情報やコンテンツが溢れたことに対して、ライターという書き手の立場からの反省の記録でもあります。

コロナが後押しした
キャンプブーム

 ブームとして1番盛り上がったのは確実にコロナ自粛の時期でしょう。その頃はいろんなインフルエンサーが現れてキャンプの様子をYouTubeやInstagramで公開していました。
女性の性を全面に出した動画なんてものも出ていてカオスを極めていたと思います。個人的にはキャンプ物のイメージビデオのようにしか見えませんでしたが、そういう人達がキャンプブームを盛り上げていたのも確かでしょう。

本質から遠ざかった情報の洪水

 キャンプって危ない事が沢山あって、怪我のこと、防犯のこと、野生動物のこと、そういうことを知らずにフィールドに出てしまうのは危ないですよね。でもネット記事では楽しくて誰でもできそうな感じで綺麗に纏められています。まさかお洒落なコットンテントが汗だくになって設営するほどの重力級だとか、そういうリアルなことを伝えている人は少なかった様に思います。
 キャンプブームでマナーが悪化したというのはもちろん利用層が広がったということもありますが、マナー啓発よりも安易に喜ばれる記事を情報を発信するインフルエンサー達がばら撒いた結果でもあると私は思っています。

間違いだらけの
インフルエンサー

 キャンプブームに乗っかるだけのインフルエンサーで溢れていた2年前なんかは特に顕著でしたが、記事の情報自体が滅茶苦茶だったり製品情報を纏めただけの浅い記事で溢れていましたよね。書けば儲かるような時代だったので仕事として割り切っていたのかも知れませんが、キャンプというコンテンツに愛情がある様に私は思えませんでした。
 固形燃料で焼きマシュマロを作ってみたり(毒性があるので真似しないでください)そういう、安全性を全く無視した記事もありました。今では質の低い記事は淘汰されつつありますが、インフルエンサーとしての実力以前にキャンパーとして経験を積んでない人さえも記事を書くほどのブームだったのは事実です。インフルエンサーやネット記事なんてドドドドど素人が書いている可能性はもちろん、ChatGPTが出力した記事を読んでいる可能性について、私たちは考えなければいけない時代になりました。

キャンパー自治文化

 いまでは幾らかブームが落ち着いて、お気に入りのフィールドを持つキャンパーが多くなった様に感じられます。そこでインフルエンサーではなくてもSNSで発信力のある人たちも多く存在していますよね。キャンパーがキャンパーに啓発する意義というものは私も理解しているつもりですが、結局SNSで歓迎されるような発言に止まっていると私は思います。
 女性の声掛け問題にせよ、女性の安全という視点でしか話が進まないのはSNSに媚びた歪な構造に見えます。本当にキャンプの経験があれば子どもの方が危険に溢れているし、その次に女性、男性と言った具合にリスクの確率が減っていくことぐらい体感的に理解できるはずです。でも、そうじゃない。SNSに媚びた歪んだ情報発信が歓迎され、それが正義の様に今日も扱われています。

おわりに

 私は世の中に求められる情報発信が悪いとは思いませんが、本質的な情報の発信をしているインフルエンサーや団体がどれほど存在しているのか。私たちは情報の裏に隠された意図を見抜いた上で判断していく必要があるでしょう。


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かなめ かいじ
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