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代筆ライターが「君たちはどう生きるか」を観てアオサギの小汚いおっさんに救われた話

 こんにちは「かなめ かいじ」です。
ライター業を齧り始めて5年程、最近は電子書籍の出版などにも携わっています。基本的に原稿を納品する事が多いのですが、今回は宮崎駿監督作品の「君たちはどう生きるか」を観た感想を「代筆をする人の立場」から話します。とても個人的な視点と感情で話は進みますので、ご注意ください

偽者が本物の作品に触れる

 代筆ライターなんて耳障りのいい言葉ですが、要するに私は誰かになりすまして文章を書く人でしかありません。私の書く文章は偽物だと思うし、私自身自分の言葉で書くということを忘れて透明なモンスターになりかけていた時期があります(詳しくはインフルエンサーの代筆をしたら透明なモンスターになっていたをお読み下さい)。


 だからこそ世界的に有名な監督の主観に満ちた映画を観ると、苦しくなる。アニメ映画という一つの表現を突き詰めることと、誰かの皮を被ることは同じでしょうか?そんな都合のいい話はありません。私はどこまでも偽者です。

 映画に出てくるアオサギの中身に小汚いオッサンが入っていましたが、正しく私もアレなのです。代筆する内容は異なるのでアオサギになったりワシになったりトラになったり、何にでもなるのですが中身は他人のコピーを作り出す小汚い物書きです
 それでもアオサギは物語の中で滑稽な姿を晒しつつも主人公の少年に嫌われながらも助け合いそして元の世界に戻ります。とはいえ戻った世界は戦時中で決して幸福な時代とは言えませんが、戻れたことが幸せなのかそうでは無いかは一旦置いておきましょう。
大切なのは化けの皮を被った偽者が、人助けをして立派に少年の世界を救ったという事実です

 私は代筆ライターという偽者であり続けることに正直なところうんざりしています。偽物の言葉には魂が宿らないと思っているからです。

 しかし、映画のアオサギは小汚いオッサンなのに立派に少年の旅をアシストしました。物語と現実は違うにしても、代筆という皮を被っていても表現次第では誰かの人生をより良くする言葉を世に送り出すことができるかもしれません。
 アオサギの皮を被った私も、滑稽に足掻きながら誰かを救う言葉を送り出せるかも知れない。そんな予感を映画のアオサギが与えてくれました。

 その予感が現実になるように、私はこれから代筆というものに誠実に向き合いたいと思います。


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かなめ かいじ

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