「夢は描いた瞬間から、叶ってる」ってこういうことかな。先輩農家さんと話したこと
今日、長岡市から農家の先輩が加工所に遊びに来てくださいました。
竹内農園の竹内さんです。
このパンフのイラスト通りの、いかちいお兄さんです。
弊社が販売している「こども鍬」を彼が開催する農業体験で使用したいとのことで、受け取りにお越しくださいました。
そんな竹内さんは大学卒業後(農大ではない!ここポイント!)、新潟県長岡市で新規就農し、早23年とのこと!現在44歳!若いですが、農家の大先輩です。
米どころの新潟で、野菜を中心に栽培する専業農家さんで、私が就農したときからご活躍されておりました。
農家としてどう生きるか?いや、地球と共に農家としてどう生きるか?
さて、今日久しぶりに竹内さんと話していて、とても面白かったのが竹内さん自身がターニングポイントを迎えようとしている、という点でした。
コロナによって、多くの方々の価値観がぐるっと変わったのは言うまでもありませんが、農園を経営している竹内さんも、そのお一人でした。
コロナによって卸先から、スパッと発注が切られ、在庫を抱える。繋がりがなくなる。そしてウクライナでロシアによる戦争が始まった。資材は高騰し、消費者の皆さまは食への不安を募らせた。さらに環境面では異常気象により、今年に関して言えば、雨が全く降らず農家にとっては苦しい苦しい1年でした。
地球を肌身で感じるところで働き、気象の変化をダイレクトに受けるからこそ、その微妙な大地の変化、つまり相棒の変化に気づきます。
人間の欲求の根幹「食べる」の一番近いところで働き、消費者の心情の変化をダイレクトに受けるからこそ、価格も嗜好も影響を受けます。揺らされます。
農家として、どう生きるのか?
それをバンと目の前に残酷にも突きつけられたのが、ここ2〜3年でした。
そして「農家としてどう生きるのか?」と考えたときに、農業は大地とともにあるからこそ、「気象や国際情勢全て含めた、この"地球"とともに、自分はどう生きるのか?」という大局的な問いにどうしても繋がります。
意義や意味など本質的な部分に潜っていきます。
竹内さんは
「ほんとは、こういう資本主義社会ではなくて、ただただ、農業つまり自給自足生活ができればそれで満足なんだけどね」みたいなことを話されていました。
違和感をガシッと掴んで、価値観と実態を合わせてく
このあと、竹内さん自身の就農のきっかけが「大学で仏教を学んだこと」と話されていて、なおさら納得しました。
仏教を通じて「生きるとは?」と考えたときに「食」に行き着いたのが、竹内さんでした。
ところが、農業を仕事にしたとたん、人間の欲望渦巻く資本主義の海のど真ん中に、すごく乱暴に放り出される感覚を話されていて、すごく分かりみが深かったです。
私自身も、農業が生む目に見えない大切なものを繋ぎたい、農業が生む価値観や美意識を繋ぎたい、という思いから就農しましたが、いま、曲がりなりにも会社経営をし、売り続けねばならぬ、スタッフを守り続けねばならぬ、右肩上がりあるいはキープしか許されぬ…という日々の中で、目の前の実態のある自然や大地や作物たちが、数字になり変わっていることを感じます。
けれど、生きていくには、必要なことなんです。食っていくには。
で、だからと言ってこの話は「だから好きなことを仕事にしちゃ、ダメだよね」という話ではなくて、手段が違った、という話だと思うんです。
農業を通じて実現したいことや、迎えたい未来や世界は「関係性の薄い卸に」「商品をたくさん作って」「売る」という手段ではなかった、ということ。
今回、いろんな出来事があって、「違和感」を感じて、その「違和感」を放置せずに、ちゃんと違和感を解消する道に向かった。
では価値観と実態を合致させるために、どこをいじってくか。
お客様との関係性なのか、
作り方なのか、
売り方なのか、
それとも事業自体なのか?
「コロナや戦争や異常気象。そんなのにぶち当たりながら、ただただ数をたくさん作る。そしてたくさん売る。そのためにたくさん農薬を使う。そんなんでいいのかなって思えてきてさ。
今改めて、有機農業を勉強してるよ」
と、竹内さんは話しました。
竹内さんは、それぞれの項目をちょっとずつ、調整していました。でも。
ターニングポイントは自分で作ってく
竹内さん自身が考える新しい、おぼろげながらも形になろうとしている新しい未来図も教えてくれました。
とてもワクワクするものでした。
けれど、今すぐそれを実行できないもどかしさも、すごく抱いていました。
それは家族がいることも大きいかもしれません。
けれど、竹内さんの姿を見ていて、ターニングポイントやチャンスというものは、いつか来るものとか、待つものではなくて、自分から作っていくんだな、と改めて思ったんです。
だって事実、目の前にいた竹内さんは、コロナから始まり、いろんな出来事から起因する小さな違和感たちをちゃんと捉えて、考えて、形にしようとしていて、いろいろもどかしい思いをしながらも、ひとつひとつ積み上げていってるんですもん。
無意識でも、意識的でも、自分の力でステージを変えようとしているというか。
それってまぶしい。
ほんと、まぶしい。
本人はすごくもどかしいものを感じていましたが、でもただ情報収集しているだけの時間も、止まっていると思っているような日でも、今すぐそれに取り組みたい!とウズウズしながら、日々の「やらねば」をこなしているような日でも、自分の中で、確実にイメージを少しずつ膨らませている時間は、チャンスを掴むための準備期間に確実になっているはずなんです。
で、こういう時間が一番楽しいんですよね!!
ある本で
「夢は描いた瞬間から、叶っている」という言葉があったのですが、今まさに、その言葉が「ああ、こういうことか」と実感を持って理解することができるようでした。
小さな違和感を捉えたときから、もう道は始まっている。
行きたい道は見えてるし、だからもうすでに夢は叶ったも同然。夢、言い換えると「本当にありたい姿や、在り方のほう」に心が向かってるんですもん。
あああ、眩しい。
私も自分の人生の舵を、グイグイ自分で取っていきたい。
主導権は自分にある。
船長は自分だ。
どこへ行ってもいいし、どの航路を選んでもいい。
これって本来すごく楽しいじゃないですか。
私はちゃんと、ありたい姿へ向かって、航路を向かっているだろうか?
ワクワクする時間をありがとうございました。
いただいたサポートは、里山農業からの新しいチャレンジやワクワクするものづくりに投資して、言葉にしてnoteで届けてまいります!よろしくお願いします。