暮らしを手づくりする

暮らしを手づくりする 鳥取・岩井窯のうつわと日々 山本 教之


・人がつくるものから滲み出るもの。それは、形や色彩や模様といった目に見えるものではなく、空気のように漂う「含み」みたいなものだと考えています。「含み」とは煎じ詰めれば、その人の暮らし方であり、仕事に対する思いや姿勢であり、その人の生き方そのものです。


・弟子たちによく言うのですが、大切なのは「気づく」こと。そして気づいたら、できることは面倒くさがらずにすぐに試してみることです。


・子どもたちを見ていると、たった二歳の子どもでも壊さないでんす。壊れないんじゃなくて、壊さない。乱暴にすれば壊れるということをちゃんと頭で認識しているから、壊さないように丁寧に扱おうと体で覚えていくのです。ものには本来、そのように人に働きかける力があります。

ナイフや火など人類が使いこなしてきた道具はみんな役に立つと同時に、扱い方を間違えれば危険なものに変わります。道具とは、有益性と危険性の両面を兼ね備えているもの。それをいくら技術によって安全なものにしようとしても限界があります。道具には、それぞれの扱い方がある。危ないからと取り上げるのではなく、使いこなす術を教える。


・感覚が磨かれてくると、自分がいいと思うものとの出会いは貴重だということがだんだんわかってくると思います。だから、気に入ったら少し無理してでも買う。買ったら、できるだけ長く使おうとする。そんなふうにして、ものを大切に扱おうという気持ちも自然に生まれてくるのだろうと思います。


・現代の暮らしというものを考えるとき、手仕事がベストだと盲目的に考えるのではなく、手仕事も工業製品も混在していていいという、時代に即した暮らしを見つけていくのも大事なことではないかと思います。


・僕は、叩き込むような教え方は好みません。相手が受け入れないことを、いくら叩き込んだってどうしようもないと思うからです。人はそれぞれ個性がある。師匠だからといって無理強いしてはその人の持っているものを潰しかねません。開かれたこの場にきて、ここの空気を肌で感じ、それが何かしらその人のエッセンスになればいいんかないかというのが、次世代への僕なりの伝え方なのです。




鳥取旅行、すごく楽しかったなぁ。

思っていたよりもはるかに素敵なところだった。

岩井窯さんで買った掻き落としのお皿は本当に細かい作業で。

少し高いかな?なんて思ったけど、山本さんが一本一本線を掻く写真を拝見したら、お皿1枚作るのにこの地道な作業……もう全然高くないです。

まず眺めてるだけでうっとり楽しいんだもん。そして何を乗せようか考えてまた楽しい。そして作った料理を盛って「すてきだね」って言いながら食事をするのがまた楽しい。

大切に扱いながら、このお皿たちと歳をとっていきたい。


島根に越してきてから、生活の質はぐんと向上した。

また次に窯元に行くのが楽しみだなぁ。


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