僕の人生には事件が起きない

僕の人生には事件が起きない 岩井 勇気


・ぬぼーっと何も考えず、耳の穴から脳みそを垂れ流しながら生きていくこともできるが、普段色々考えながら生活してみるのもそれはそれで楽しいものだ。


・利便性を求め生み出されたものは確かに便利だ。しかし「必ずその通りにしよう」という人間の意思は時として不便である。


・飽きなければ好きなことを延々とやっていられるので、どれだけ幸せだろうと考えたこともある。しかし、そうなると新しいものは何も生み出されず、人は進化をやめるだろう。飽きることで前進しているんだという結論にたどり着いた時、これからも”飽き”によって前進させられるのか、と思って、ちょっと疲れた。


・本当に仕事と私生活に満足している人間は同窓会など開かないということだ。端から見て私生活と仕事が上手くいっていても、どこか楽しくないとか、満足していないとか、もっと人に認められたい人間が、学生時代の楽しさのピークを更新できていないからか、同級生より上に立ったことを確認したいという理由で同窓会を開くのだ。なので、楽しさのピークを更新していて、今を楽しんでいる人間は同窓会など求めていない。


・芸能の世界で仕事をするようになってからずっと思っていた。僕の人生には事件が起きない。が、それと同じように皆さんの人生にもそんなに事件は起きていない。そして、テレビで見る芸能人の人生にもどうせ本当は事件など起きていないだろうと。それを皆、化学調味料で元の味などわからなくなるくらい嘘のように濃い味付けにして提供してくるのだ。そんなものばかり食べていると、そのうち舌が馬鹿になる。物の味なんてわからなくなってしまう。


この本を通じて、岩井さんの印象が変わった。ちょっと変わってる人だと思っていたけど、全然そんなことなかった。いや、やはり変わってはいるか。

岩井さんのひとつの出来事に対しての考え方や、家族とのやりとり、棚がうまいこと完成しなくてイライラしちゃう感じとか、めちゃくちゃ共感できた。

でもその思っていることを時に言葉に出したり、行動にうつすことができるゆえ、ちょっとやばいやつ!って感じるのかもしれない。言い換えれば自分の気持ちに素直に行動できているってことなんだと思うけど。


魚雷の話と、相方澤部は「無」であるって話が特に好きだった。

とがっているというべきか、自分の気持ちに素直というべきかは悩むところだけど、わたしも澤部か岩井かといったら、岩井みたいな生き方をチョイスしたい。

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