イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由
イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由 猪田彰郎
・おいしいコーヒーを淹れるんはむずかしないんです。大事なんは、技術よりも、気持ち。そやからどなたでもおいしく淹れられます。
コーヒーは生きもの。こっちの気持ちが伝わります。人と同じ、愛情をもって接すればちゃんとこたえてくれます。
道具は何がええやろうとか、お湯の温度はどれほどやろとか、いらんこと考えんで、ええんです。思いやりをもって、ちょっと手をかけてやる。そしたらぐっとおいしくなります。おいしなったらみんなが喜んでくれます。おいしいコーヒーからええご縁がつながります。
・「今日は疲れたなあ、コーヒー飲みたいなあ。そやけど今飲んだら、ごはんに差し障るかもなあ」というようなとき。コーヒーはコーヒーで楽しんでもろて、家に帰っても食事がちゃんとおいしく食べられる。
スッとキレがよく、コクはあるけれど、おなかにもたれない。私が三条店で出したかったのは、そんなコーヒー。
・時代によって好まれる味も違いますから、お客さんを見て、自分で工夫することが大事やと思います。
・「人には、どこかひとつ必ずいいところがある。そこを見つけるんや」
先代がよう言うてはりました。その人のいいところを探す。どんな小さなとこでも、そのいいところを信じて、こちらから「好きや」という気持ちでご挨拶し続けるんです。
・ふしぎなもので、ご縁があれば、会えるんですよ。そうして、適度な距離をもってお付き合いすると、案外長いこと続くもんです。
さすがアノニマ・スタジオが出している本。
写真や装丁がとても素敵。
そして実際に三条店に行ってみたくなる本。
今週末は京都に行く。三条店の円形カウンターに座れるのが、今から楽しみで仕方ない。
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