しっかり見定める期間に
こんにちは。不動産屋のえのかなです。
前回は「買付(ラブレター)」についてお話ししましたので、今回は不動産会社が契約前にどのような働きをしているのかをご紹介します。
買付書はすぐに送る
まず、買付書を受け取ったら、仲介業者は速やかに申し込みを提出する必要があります。多くの不動産会社が火・水曜日に休みを取りますが、売主側の仲介が営業している場合、木曜日まで待っていると他の人に先を越される可能性があるため、受け取ったらすぐに売主仲介に送ることが重要です。
先日、買取業者さんと競合しそうな希少物件があったため、現地で内見した後、最寄りのカフェから担当者にメールとFAXで買付書、事前審査通知書、送付状を送りました。その後、担当者に電話をして無事に受け取られたか、一番手で受付してくれるか、申込書の内容を電話で確認しました。
満額での買付ならあまり心配せずに待てますが、指値がある場合は、売主さんのお気持ちも考慮して返答に時間がかかることもあります。ですので、どうしても欲しい物件には「満額(図面に記載の価格)で買付を入れる」ことをお勧めします。
契約の準備に入る
交渉が成立すると、不動産会社は契約の準備に入ります。
通常、売主側の仲介会社が物件の詳細を最もよく把握しているため、契約書のドラフトを作成することが多いです。買主側の仲介会社は業者情報を提供し、ローン特約に必要な銀行名、金利、借入期間、借入金額、斡旋の有無などを伝えます。
その後、送られてきたドラフトを元に、一時情報と照らし合わせながら内容をチェックします。過去1箇所も訂正なしで契約が結ばれたことはないので、どこかに間違いがあるかもしれないという気持ちで注意深く確認していきます。
特に重要なのは、契約書と重要事項説明書の最後に記載される「特約」です。ここには多くの重要事項が書かれているため、買主さんを守るためにもプロとして内容をしっかりと把握しておく必要があります。
売主仲介さんが作成するため、売主寄りの内容になることもありますので、事前に確認して交渉の余地がないか検討するのが買主仲介の重要な役割の一つです。また、買主さんを守るために特約に記載した方が良い内容についても、記載してもらえるように交渉することが重要です。
このように何度かやり取りを重ねて契約に至ります。
契約当日に内容を確認するのではなく、事前にPDFで契約書を受け取り、読み合わせを行うことで予期しない問題を避けることができます。
もし、契約内容に不満があったり、購入判断が揺らぐことがあれば、早めに仲介業者に伝えるようにしましょう。
契約後に「やっぱりやめます」となると、手付金を放棄しなければ契約を解除できず、金銭的なダメージが大きくなります。
やっぱり違うと感じたら?
婚約していても、指輪をもらっていても、最後の最後に「やっぱり違うな」と感じたら、「やっぱりやめます」という勇気が必要です。
私なら指輪は購入した金額で買い取らせてもらいます(笑)
不動産取引も同じです。
売主仲介によっては「土下座しに来い!」と買主仲介側に怒鳴る人も稀にいますが、無理に契約を進めて後で解除するより、早めに違和感を伝える方が事態をこじらせずに済みます。
納得したうえで契約日を迎えられるように、事前に資料に目を通し、当日はセレモニー的に執り行われるようにしましょう。