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戯言「イカの日」

【創作です】

まずい。
今日は何もできていない。

ここ三日間珍しく自分にしてはよく頑張っていたが、
気を抜けばすぐこれだ。
今日は深夜までなんの予定もないのでグータラしていたらこうなっていた
思い出してみよう


起きたら窓からダイオウイカの破片が降り注いでいた、
白くて綺麗な切り身だ。
大きめのボタン雪のようにボタボタと音を立てて地面、屋根に
降り注ぎ地面に着地した瞬間に溶けている

街の人たちはフライパンで丁寧に拾っている。
あれだ東京フレンドパークのりんご降りてくるやつカゴに入れるやつみたい
(調べたけど出てこなかった。仕方ない)
イカいいなー。
と小市民のような感想を抱いていたら何やら雲行きが怪しい。
全く最近そんな天気ばかりじゃないか。
返信していなかったラインを返信していたら1人と電話。
1時間ほど話して終了。

起きあがろうにもなぜか体ががが。
こう言う時は昔イカを思い出す。
あの時ホタルイカを食べていればよかった。
あれは秋に入った時だったか、
真夜中の空を見上げていた、流れ星のごろくホタルイカ流星群が流れていた。

そういえばいつも弱気だった。
「自分なんて」と思う事が多かった。
あの日もアオリイカとホタルイカの違いすらよくわからなかった。
イカとタコの区別をつけるのもめんどくさがっていた。
タコなのかイカなのか。
しかしそれは全て自分の怠惰だった。

結局空から降っていたホタルイカは、
全て水星へと吸い込まれていった。一つ残らず。

「まじかー。」

トボトボと家路に着く。
なんばハッチから見えるおおきにコーヒーの看板が今でも瞼を閉じたら浮かんでくる。

空を見上げる。
今日も月は黒い。
まぁイカのせいでしょうよ。
だいたいの事ってイカのせいですもんね。

『おい』

え?

『自分の決断だろ』

どうやら独り言が声になって漏れてたらしい。
まずい。
イカ崎さんだ。

「いやー」

私はイカ崎さんにこってりと絞られた、
もちろんイカ崎さんも私のことを思ってだとは知っていますよ。
叱ってくれるだけありがたいと言うことも。

でもまぁ、奢ってくれた。
なんだかんだでいいイカではある。
些細なことは気にしてはいけない。

そこまで思い出して
心のポッカリ空いた穴に何か埋めるべくなんばへ、
ほんとはマックに行って作業かますつもりだったが、
イカそうめん大盛り無料の看板に釣られて(イカみたいだ)
外食をかます。

あーうー。

ぼちぼちのからさのイカそうめんかまして
マックへ。

今日はやけに多い。
そしてラインを見てなんだ。
また凹む出来事だ、
ホタルイカ流星群のお知らせだ。
今月末らしい。

あーやだやだ。

いいかげんホタルイカ流星群を見るのは嫌なんだよー。
と思っていたらこんな時間になってしまった。

全く。

困ったイカです。

よろしゅうお願いします。