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第三次甘い大戦
今日は休みである。妻子は社会に出ているが私は変則勤務なのでゆっくりと体を休めている。
しかし、そんな平和な日々を脅かす戦いが始まろうとしている。我が愛する家族は皆アイスが好きなのである。それもガリガリくん中毒なのだ。夏はガリガリ家となることは我が家の小さな幸せである。今もガリガリくんをガリガリしながら映画を見るという嗜好の時を満喫しているのだ。
だが、毎年、毎年奴らは食べ終わってゴミ箱で役目を果たした墓標のような神聖なガリ棒(ガリガリくんの棒)を目掛けて宣戦布告をしかけてくる。
そして、今日もふとゴミ箱に目をやると奴らの進軍が開始されていた。
そう、アリアリくんである!
一体何なんだ?君たちは一年も寿命はないはずではないか、なぜ毎年情報共有を図ったかのごとく戦争を仕掛けてくるのだ。しかし、ここは我が家であり我が国。昨日も愛しい嫡男である4歳の息子が噛まれたとの報告を受けている。非戦闘員である女子供に手を出すとはジュネーブ条約を無視した非道な行為である。
こうして私も宣戦布告を行い第三次甘い大戦が始まったのである。
敵は一列にゴミ箱を目掛け進軍、その数20。さすがに訓練されており等間隔で物音立たずに進行中だ。さらに別働隊として流し場に放置してある納豆のタレをも占拠しようとする巧みな用兵、その数25。おそらくゴミ箱の中には語るもおぞましい数がガリ棒に群がっていることであろう。
しかも、この敵兵どもはこちらの存在に気づくと散兵し撤退するというベトナム兵さながらの優れた撤退技術を持っていやがる。なので勝負は一瞬だ!
しかし、奴らの侵略行為は実際には視界に入る不快感以外に何らかの害があるのであろうか?偶然私はAmazonプライムにて「この世界の片隅に」を再見しており戦争の空虚さに浸っていた時分である。一旦テレビの前で落ち着き、あえてこの戦争を放棄し映像に集中しようかと平和国家に目覚め始めたその時。
私の手元にあるガリガリくんの袋に3名の敵兵が突入しているではないか!「賽は投げられた!」byカエサル
参謀本部にて掃討作戦綱領が決定した。
①生物兵器ゴキジェットにてゴミ箱内の敵軍全滅
②陸軍粘着戦車であるガムテープにて白兵戦を行い瞬時に壊滅
③使用したガムテープをゴミ箱に捨てゴミ袋ごと封鎖し外に廃棄
以上、幸運を祈る。
約5分で雌雄は決した…敵兵全滅、我が軍の被害は納豆のタレが服に被弾したのみ。
戦いの後は虚しい。私たちはなぜ戦いを続けねばならぬのか。再びガリガリくんを食べながら戦場に立ちすくむ。
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