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「この商品はグリーン電力で製造しています」って、どうやって?!

クリスマス、お正月とお酒が美味しい季節です。冷蔵庫にアサヒスーパードライが入ってるよという方、缶に印字されている「g」のマーク見てみてください。こちら再生可能エネルギーで作られた商品につける事ができる「グリーンエネルギーマーク」なのです。大企業は流石、環境への意識高いな〜。

しかし、ちょっと考えてみてください。
「グリーン電力」どうやって使うのでしょう?みなさんはお家の電力を100%風力やバイオマスに変えたいと思って、できますか?
今日は「この商品はグリーン電力で製造しています」ついて、自動車関連企業のカーボンニュートラル部署に異動してきたばかりの私が、素人目線で分かりやすく解説します!

グリーン電力は、お金で買える

実は、とある方法でお金を払えばグリーン電力を使えるのです。使えると言ったら語弊があります。
使った事にできる。つまりこういう仕組みです。
風力やバイオマスといった再生可能エネルギーの発電事業者に、企業がお金を払う。すると「グリーン電力証明書」が発行される。その証明書があると、自社商品に「g」マークをつけたり、「この商品はグリーン電力で製造しています」と宣伝できる。発電事業者は企業から貰ったお金で新規投資をして発電量を増やす事ができる。というカラクリです。
なに?じゃぁ実際に風車や太陽光でその商品作ってるんじゃないって事?お金が動いている?なんだかインチキ臭いなぁ。と思われたかもしれません。
しかしこの仕組み、侮らないでね!

発電方法は自分で選ぶ時代に!

風力発電

日本は再生可能エネルギーが高い。しかし国は再エネシフトを進めてカーボンニュートラルに向かっています。実はそのコスト、「再エネ賦課金」という形で家庭の電気代に上乗せされています。2021年に0.22円/kwhだったのが2021年には3.36円/kwhと年々値上がり中。「えー!知らなかったよ!」「いつ再エネ賦課金払って良いって言った?!」って思いますよね。
しかし、お金を払ってでも再生可能エネルギーを使いたいという企業がどんどんグリーン電力証明書を買ってくれたとしたら?
再エネ事業者は一般家庭から再エネコストを集めなくても、企業から証明書を通して投資資金を得る事ができるとしたら?

だんだん良い仕組みに思えてきましたね。

自社製品を環境面でイメージアップさせたい企業側からすると、国が一般消費者から少しづつ電気代を徴収して少しづつ再エネ比率を上げるの待たずに、証明書を買う事で一気にカーボンニュートラルに出来る。

これからは企業が主体的に発電方法を選ぶ時代なのです。


いざ、グリーン電力でブランディング!

「グリーン電力証明書」があれば、中小企業でもグリーン電力を自社製品のブランディングに使う事ができます。今治タオルブランドを展開するIKEUCHI ORGANICのキャッチコピーは「風で織るタオル」。

会社HPには、グリーン電力証明書を「買った」経緯が書かれています。
気候変動により綿の収穫量が減ってしまうとタオルが作れない。環境の為に証明書の仕組みを使って、自社製品を全て風力発電で製造しているのだと。
こちらの会社、実は私の知り合いのご実家。その方曰く、普通のタオル工場だそう。中小企業でもグリーン電力で自社商品を作り、ブランディングが可能になるのです。

あれもこれも「グリーン電力化」できる?

ビールやタオルといった一般消費財だけではなく、様々な業種でこの仕組みが活用できるのではないかと思います。

たとえば飲食業界だと、「当店で使用する電気は全てグリーン電力です」。IT企業だと、「当社のサーバーに使う電力は全て再生可能エネルギーです。」などなど。

もしも、スーパーやネットで「g」マークをつけた商品や、「この商品はグリーン電力で製造しています」のキャッチコピーを見つけたら、「頑張れ!」と思わずにはいられない。そんな記事になったのではないでしょうか。

おうちでゆる~くカーボンニュートラル、まずは知る事からスタートです。





自分で使う電力は選ぶ時代に!
「風で織るタオル」というキャッチコピーで今治タオルのブランドを展開しているIKEUCHI ORGANIC。



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