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藝術日記 2023

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ゼミ生が各地をめぐってアートにふれ、感じたことをありのままに綴っていく「藝術日記」第一弾!
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記事一覧

【藝術日記2023】あさひAIRレビュー①

【藝術日記2023】あさひAIRレビュー①

あさひAIR

松本市立博物館を訪れた次の日の10月8日にゼミの四年生らと共に信濃大町市で開かれていたあさひAIRに訪れた。信濃大町市が企画するアーティストインレジデンスプロジェクトに訪れるのは二回目であり、去年に引き続き、私が訪れた日はちょうど天気の芳しくない曇りの日であった。しかし、水を感じるという趣旨のあさひAIRでは、ときどき小雨の降るような曇りの日の方が、流れる水の感じを上手く受け取るこ

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【藝術日記2023】あさひAIRレビュー② 

【藝術日記2023】あさひAIRレビュー② 

9月30日から10月9日まで開催していた信濃大町アーティスト・イン・レジデンスに訪れた。アーティスト・イン・レジデンスとはアーティストが一定期間その土地に滞在し、その環境で作品制作やリサーチ活動を行うプログラムだ。今年は「水をいとなみ」をテーマに選出された4人のアーティストが、信濃大町駅本通り沿いに展示発表を行った。

当日、見て回った順に各アーティストの目に留まった作品、それに対して感じたことを

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【藝術日記2023】トビチ美術館2023「偶然、ここで。」展レビュー

【藝術日記2023】トビチ美術館2023「偶然、ここで。」展レビュー

トビチ美術館2023「偶然、ここで。」展

10月29日、辰野町のトビチ商店街を訪れた。昔ながらの食堂や八百屋、所々の空き店舗が街に溶け込みつつ、真新しいカフェや雑貨店も共存する。今昔の雰囲気が混在するトビチ商店街では、10月14日から11月26日まで、「トビチ美術館2023 偶然、ここで。展」が開催されている。国内外のアーティストが辰野町に滞在し、点在する空き家で個性溢れる作品を制作・展示する、

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【藝術日記2023】安曇野AIRレビュー

【藝術日記2023】安曇野AIRレビュー

10月7日から10月19日まで安曇野市にて開催されていた安曇野AIRに訪れた。こちらは、東京藝術大学との連携事業で、同大学卒業・修了の若手芸術家によるアーティスト・イン・レジデンスである。臼井仁美さん、及川春菜さん、鈴木希果さんの3人が、7月から9月まで安曇野市内各所で市民との交流や作品制作を行っており、その滞在の成果が展示されていた。

鈴木希果さんの作品は、安曇野市で飼育している羊や牛のフンを

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【藝術日記2023】クラフトピクニックレビュー

【藝術日記2023】クラフトピクニックレビュー

 10月15日日曜日、クラフトピクニックにてワークショップに参加するべくあがたの森公園に足を踏み入れた。クラフトピクニックはさまざまな工房・作家の方々の展示や実演、来場者向けのワークショップを主としたイベントであり、14日から15日にかけて開催された。

 会場を訪れた私は、まずぐるりと道沿いに広場を一周してみた。クラフトピクニックを訪れるのは初めてだったため、どのような雰囲気でそれが行われている

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【藝術日記2023】「紙博」&「山田文具店」「Old Goods」レビュー

【藝術日記2023】「紙博」&「山田文具店」「Old Goods」レビュー

先日藝術日記のレビューが公開された「クラフトピクニック」の関連記事である。クラフトピクニックと同日(10月14日、15日)に、松本PARCOでは「紙博 in 松本 vol.2」の開催、「山田文具店」「Old Goods」の限定出店があった。
参加してみると、思いがけずクラフトの第一歩を体験することができた。

紙博in 松本 vol.2まず訪れたのが、松本PARCO6Fでの「紙博」である。

エス

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【藝術日記2023】11/17 アーティスト 飯山太陽 インタビュー

【藝術日記2023】11/17 アーティスト 飯山太陽 インタビュー

昨今、「障がい者アート」をテーマとした事業が盛んに行なわれるようになっている。我らが松本市も、「対話アート」という障害者や生きづらさといったテーマのアート展示を市内各所で開催中だ。そしてこれからも、「障がい者アート」、いや、「障がい者」と向き合う機会はどんどん増えていくだろう。そこで、私にも、障がいを持ちながらも実際にアーティスト として活動している友人がいるので、これを機にインタビューを行なって

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【藝術日記2023】畠山直哉×蓮沼昌宏アーティストトーク(長野県立美術館)レビュー

【藝術日記2023】畠山直哉×蓮沼昌宏アーティストトーク(長野県立美術館)レビュー

畠山直哉×蓮沼昌宏アーティストトーク

長野県立美術館で、蓮沼昌宏さんの公開制作・展示「制作、テーブル、道」が開催されている。
蓮沼さんは、自身の経験や見聞をもとに、写真や絵画、手回しアニメーション装置「キノーラ」で物語を表現するアーティストだ。プロフィールを長野県立美術館HPより引用する。

11月19日に開催されたアーティストトークでは、写真家であり、東京芸術大学大学院教授の畠山直哉さんと蓮沼

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【藝術日記2023】「みかんの旅」対談トーク

【藝術日記2023】「みかんの旅」対談トーク

長野県立美術館「みかんの旅 対談トーク」レビュー

 2023年11月3日から2024年2月12日にかけて、長野県立美術館のアートラボでは廣瀬智央による「みかんの旅」の展覧会が行われている。美術館本館2階に位置するこの「アートラボ」は視覚以外の感覚に訴えるアートをテーマに展示を行っており、アートのラボラトリー(実験室)となることを目指しているという。今回の展覧会は特に嗅覚に焦点をあてた企画であり、

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【藝術日記2023】展覧会「浮世絵いろは」(北斎館)レビュー

【藝術日記2023】展覧会「浮世絵いろは」(北斎館)レビュー

「浮世絵いろは」

2024年1月14日まで、小布施町の北斎館で展覧会「浮世絵いろは」が開催されている。この展覧会で詳しく覧ることができるのは、葛飾北斎の『北斎漫画』だ。北斎館HPは、「浮世絵いろは」の魅力を次のように語っている。

今までは漠然と、緻密な技法で写実的にものごとを描いているのだろうとイメージしていた。今回訪れたことで、『北斎漫画』を通じ、「巧みなアイデア」の意味に触れることができた

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