空き家で真っ先に考えることは「売却」

売却は、もっとも直接的に空き家問題の解決につながる行動でしょう。

なぜなら、空き家を購入する者は、なんらかの利活用を前提としているが故に購入するからです。

そして、新たな空き家所有者には、相続人間で意見がまとまらないなどといった「人の問題」は起こり得ません。

したがって、まず最初に検討すべきことが売却です。

ここで、「状態が悪いままだと安くなるから、リノベーションをしてから売ろう」と考える人がいますが、これはお勧めしません。

空き家の再生工事は、別記事で解説したように相当な経験者であってもリスクがつきものだからです。

仮に、知り合いで安く工事をしてくれる業者がいたとしても、想定外のことが発生して損害を被るのは所有者です。

空き家の再生工事には、必ずリスクがあり、最終的に誰かがこのリスクを背負うことになります。

では、だれがリスクを背負うのか？

それは、もちろん空き家の購入者です。

空き家を購入することは、そこに何かしらの経済活動を前提としており、経済活動にリスクを伴うことは当然です。

リスクを負うからこそリターンがあるのであり、そこを容認する者であるからこそ、空き家の購入を決断します。

この点、空き家の再生工事は、経験者であっても想定外のことが発生することは既に述べたとおりですが、全く経験のない者に比べると、やはり圧倒的に結果は異なります。

したがって、空き家購入者のリスク容認のハードルは、従前の空き家所有者よりも圧倒的に低いと言えるでしょう