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咲く等

「桜、いつ咲くかな。」
「まだ早いよ。梅の花はそろそろ見頃なんじゃない?」
「ん。桜がいい。」

貴方は返事をしない。いつも、どおり。
それが心地良い、ベランダにふたり並んだ2月13日快晴。
すっかり冬の香りがどこかへ飛んでいってしまった。

きっと私達はいつも、言葉を選んでいる。
一曲付けることに拘るこの感覚は淡くて、白多めの暖色。
ゼリーみたいに感情を固形にしたがっているような心の囁き。

こうやってまた意識が川の何処かを流れていて気づいたら、
貴方はギターを持ってソファで弾き語っている。
君から表れる音はぜんぶ落ち着く。なんて言えるわけもなく。

ギターの4弦の色が違うところ。
コードが進むのが早くて音楽を巻き戻すところ。
そういう、ちょっと違う、が堪らない。

取り敢えず、春までのんびりと〜。
冬眠から明けて、もぞもぞと準備しよっか。
在宅ワークに励む貴方の斜め6メートル先から応援しているね。

5枚の花弁は重なっている部分の色が濃いように、
この朗らかな春の日を一緒に過ごしていけたら、
きっと私達には最強の一曲が作れる、そう思った。




🎂となりの中野P、お誕生日おめでとう。
きっと貴方の一年はとんでもないほどに、
トキメキに満ち溢れていることでしょう。
私も川の何処かでのんびりと流れているので
時には勢いづいて合流して、一面ピンクにしちゃおうね!

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