見出し画像

【第9話】日プガールズ感想

番組のために用意されたオリジナル曲で競い合うコンセプトバトルを終えた日プ女子ことPRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS。かなり遅くなってしまったが、この記事では各グループの感想を書いていく。

※前回記事はこちら


全体の総評

各グループの感想に入る前にコンセプトバトル全体の感想を少々。まず思ったのは、

ぶっちゃけ全グループデビューで良くない?!

まあ、そんなことはあり得ないのは百も承知だが、それくらいどのグループに対しても、この一回きりにしてしまうのは勿体ないと思ってしまうほど完成されていて、全ての練習生がここ一番のパフォーマンスが出来ていた。しかし全員分の感想を書いたら1万字でも足りない気がするので、これまで同様個人的に特に良かった練習生をピックアップしていく。

小悪魔(Baddie)

チーム再編成の影響が全く無かったこともあってか、全員がセンターのような安定感があって、まとまりの良さでいえばここが一番だった。その中でも特にらしさが出ていたのが2人。清水恵子と坂口梨乃だ。

清水恵子の良さは、どんな曲でも清水恵子というジャンルにしてしまうところにあると思う。ただ曲のコンセプトを消化するだけではなく、そこにちょっとした遊びを入れてくるのが彼女のポイントだ。しかもその加減が絶妙で、曲の大枠をはみ出すことがないのが心地よい。歌い方にも清水恵子の特色が程よく出ていて、特にサビの「Baddie」の歌い方が個人的に大好き。

坂口梨乃の強みはどんなコンセプトでも消化できることにあると思う。今までもHow You Like ThatやLATATAと近いテイストの曲をやってはいたが、今回はその時以上の仕上がり。それでいてFirst Loveのようなセンチメンタルな曲まで歌いこなせる変幻自在さ。こうした幅広い表現力を持つメンバーがいたら、デビュー組の楽曲もバラエティ豊かになりそう。

そんな上記の2人が作り出した見せ場がラスサビ冒頭の、至近距離で向き合い歌い継ぐシーン。その時の2人からは普段の「クセ強元気印」や「優しいお姉さん」といった様子をまるで感じさせることがない、まさにギャップの塊。こうした一面を恥ずかし気もなく見せつけられるところに2人の成長を感じる一幕だった。

AtoZ

ぱっと頭に思い浮かぶアイドルらしさを一番体現できていたのはこのチーム。全体的に高音域というのもあってか、歌に関しては少々引っかかりが見られたものの、ダンスや表情も込みで見たら個人的には問題ナシ。アイドルに求められるのはそうした総合パフォーマンスだと私は思っているので、それを達成できた7人は充分健闘したと思う。

特に目を引いたのが村上璃杏。&MEから放出される形でグループに加入したのだが、個人的にはこっちに来て正解だったと思う。ラップもすっかり板について、デビュー組に入ってもそのままメインラッパーとしてやっていけそうな伸びしろを感じた。

&ME

全員がデビュー圏内経験者、その上Aクラスが6人という人気も実力も頭一つ抜けたグループ。結果として現場一位になったが、それに納得しない国プの意見は各所で散見される。その理由はメンバーの高い人気と実力ゆえに、他のグループより高いハードルが国プの中で設定されてしまったことにあると私は思っている。例えばのび太の100点と出来杉くんの100点では、前者は意外性のある話題になるような出来事だが、後者は最早よくある日常に過ぎない。&MEのパフォーマンスも出来杉くんの100点と同様、人気と実力が高い練習生が集まったが故に「まあ彼女たちはこの位やってもらわないと困るわな」という「できて当然」という感情が勝ってしまうのではないかと思った。そのせいで過小評価されがちなのは当の本人たちからしたら何とも気の毒だが、それが人気者ゆえの宿命なのかもしれない。

そんな中、櫻井美羽はここに来てようやく本領発揮できた印象。その理由はチッケムの本人コメントにもある通り「努力すればするほど、私本来の姿と遠ざかる気がして葛藤があった」彼女が&MEという曲に向き合った結果、その「解決につながるヒントを沢山」得られたからだろう。個人的に課題曲のサンプル音源を聴いた時に真っ先に思ったのが「櫻井美羽は絶対に&MEをやるべき」だった。歌詞の内容が日プに挑む櫻井の心境と重なって見えたのがその理由だ。だから彼女がこの曲をやるだけで私の中では勝ち確なのだが、櫻井美羽らしい透明感のある歌声がこれでもかというほど&MEにマッチしていて、トレーナー陣のアドバイスという伏線を見事回収してみせた。やっと見つけた櫻井美羽らしさ。その瞬間を目の当たりにしただけでも私にとっては胸いっぱいだ。

Popcorn

アイドルは観客に元気を与える仕事だと定義するなら、それが一番よく出来ていたのがこのチーム。深く考えなくても「楽しい」という感情になれたのはきっと、放出された練習生を迎え入れた謎茶番にもある通り、辛そうな人にそっと寄り添える優しさを持った練習生が集まったから。グループバトルの時は励まさる側だった中野心結が、荒牧深愛に「謝るの禁止ね」と励ます側に回っていたのが何とも感慨深かった。

ここに来て魅力を開花させたのが斉藤芹菜。今までは他の練習生に喰われがちだったが、ようやく彼女にマッチする曲に出会えた印象。直前に腰を痛めるアクシデントに見舞われたが、本番では常に笑顔を絶やさず、そんなことを微塵も感じさせなかった。あとこれは完全に好みの話になるが、実は私は彼女の笑顔が放送前から大好きだった。いざ放送が始まると分量の少なさもあって他の練習生に目移りしてしまったが、今回のセンターで最初に感じたスターの片鱗は間違いじゃなかったことを身をもって証明してくれた。しかし中間発表ではギリギリ圏外の23位。何とか逆転を決めてほしい。

TOXIC

個人的に最も動画をリピートしているのはここだ。その理由は2つ、歌の安定感と練習生の覚醒が見れた点にある。

その歌に大きく貢献したのは間違いなく高見文寧だ。レコーディングでも作曲家から絶賛される歌声で、本人の性格とは真逆のコンセプトながらいいアクセントを曲に与えていた。もう一つのフックがラップ担当の二人、髙畠百加佐々木つくしだ。低音の髙畠と高音の佐々木というコントラストで聴いていて気持ちいい。この3人に共通しているのが、歌だけ聴いていても「あ、今のパートはあの子だ」と分かる特色を持っていること。その個性こそが、何度も聴きたくなる中毒性をもたらしていると私は思った。

続いてのポイントとなる練習生の覚醒。これは各グループ一人見れただけでも大したものだが、ここでは何と二人もいた。

まず一人目が佐々木心菜。正直彼女がTOXICに決まった時は、AtoZや&MEの方が合っていそうと思うほど、この曲をやる姿が想像できなかった。しかし努力の甲斐あってか、見事新しい佐々木心菜を見せることに成功。今までずっと硬い表情をしていた彼女がドキッとするような顔を見せるようになったことには心底驚かされた。

もう一人が田中優希だ。彼女の悩みは番組冒頭から一貫してセンターになれないこと。あくまで想像だが、彼女の学歴や過去のエピソードから察するに、日プに出る前の彼女はどこへ行ってもグループの中心的存在で、壁らしい壁にぶつかることは無かったのではないだろうか。しかし日プに出たことで挫折を経験。そこからの立ち直りこそが田中優希の課題だと私は思っていたが、今回遂に殻を破ってみせた。確かに今までと同様センターの座は譲ったものの、センターじゃないからこその輝きを彼女は放っていて、いざ彼女のパートが来たら「ちゃんと私を見て」という気迫を感じた。中間発表では18位。この覚醒が無駄にならないためにも何とか生存してほしい。

後書き

さて、いよいよ今日は第3回順位発表が行われる。1日あたりの投票枠が2人に減ったことで結果は全く予想できないが、きっと誰が残っても文句は言わないし、誰が脱落しても納得できない気持ちになるのだろう。

そして放送もあと2回を残すのみ。新グループ誕生の時は刻々と近づいている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?