ジャニーズにまつわる新名称を公募で決める是非を考える
以前の記事で私は、ジャニーズ事務所のマネジメント機能を移管する新会社の社名は、ファンの公募で決めてはいけないと書いた。
一方、関ジャニ∞はファンクラブ向けの配信で「新グループ名を作るにあたり、ファンの意見を聞きたい」とした。
関ジャニのFC会員じゃない私は直接それを見ていないが、実際に視聴したファンの感想を見る限りでは、公募ではなくあくまで参考にするとのこと。
そこで今回私は、新会社の社名に限らず「ジャニーズ」にちなんだ言葉の新名称を決めるにあたり公募を行うことの是非を考えた。
新会社の社名→×
これに関しては前回の記事で書いた通り、名前をつけたファンまで不用意に叩かれるような事態を発生させないためにも、公募は避けるべきだと私は思う。
さらにつけ加えると、そもそも新会社設立のきっかけはジャニーズ事務所の不祥事にある。つまり世間の評価はマイナスという状況で新会社はスタートを切ることになる。
そんな中でファンからの公募というプロセスは、ファンではない層からは呑気なイベントに映ってしまうのではないか。それこそファンと新会社が叩かれる格好の材料だ。
余計なリスクを負わないためにも、何よりけじめをつけるためにも、公募ではなく自分たちで社名を考えるべきだと私は考える。
関連会社の社名→×
ジャニーズ事務所には「ジャニーズ」に由来する社名を持つ関連会社が複数存在するが、これも上記の新会社の社名と同様の理由で公募は避けるべきだ。
仮に新会社の社名が「仮名ズ」に決まったとするならば、「仮名ズアイランド」や「仮名ズ出版」みたいに、新会社の社名に合わせて変更すれば済む話だ。よって公募の必要性は無いと私は考える。
テレビ番組や舞台等のタイトル→△
これは作品の性質によって左右されるので一括りに是非を問うのは難しい。
例えば、初代ジャニーズとジャニー喜多川のストーリーを題材にした「ジャニーズ伝説」のように、再上演など継続が困難な作品の場合は、残念だが改名以前に打ち切りも視野に入れる必要がある。
一方、完全新作を作るのであれば、そのタイトルを公募することに問題は無いと私は思う。
関ジャニ∞とジャニーズWEST→○
改名を迫られたグループのメンバーが新名称を決める際、公募などの形でファンの意見を取り入れることに対しては、私は反対しない。
確かにグループ名変更のきっかけは所属事務所の不祥事だ。しかしメンバーの彼等自身に罪はない。いや、場合によっては彼等もジャニー喜多川から被害を受けていたかもしれない。
彼等は今回の問題が無ければ、改名をする必要は無かったはずだ。中でもメンバー自身の強い思いでその名をつけたジャニーズWESTにとって、それは断腸の思いだろう。
不可抗力で改名せざるを得ない事情に心を痛めるのは、メンバーに限らずそのファンにとっても同じだ。メンバーが気持ちの整理をして再起を図るためにも、同じ思いを抱えるファンの力を借りて新しいグループ名を決めるのは悪いことではないと私は思う。
ジャニーズJr.→×
ジャニーズJr.という肩書を背負う未来のタレント達に罪は無いのは、前述の関ジャニ∞やジャニーズWESTと同様だ。
だがジャニーズJr.という名称に限っては、公募を止めるべき明確な理由がある。それは、被害者もかつてその肩書を背負っていた点だ。
新名称をめぐるプロセスが、公募というファン参加型イベントのような形になってしまうのは、被害者の気持ちを蔑ろにする行為だ。そんなことは絶対にやってはいけないはずだ。
したがって前述の関連会社同様、新会社の社名に合わせて変更するのが望ましいと考える。
「ジャニーズ」という言葉が無くなる重さ
改めて振り返ると、ジャニーズという名称は単なる社名に留まらず、「ジャニーズ系」や「ジャニオタ」といった派生語が出るほどにまでその意味を拡げていた。世間一般に浸透した言葉がこんな形で使えなくなるのは大きな変化だ。
恐らく令和生まれの子供たちは「ジャニーズ」という言葉の意味を知らずに育っていくことだろう。あと10年もすれば「ジャニーズ」という言葉は死語になっているかもしれない。それは生まれてからずっと「ジャニーズ」という言葉に慣れ親しんだ私にとって寂しいことだが、こうなってしまった以上は受け入れるしかない。それほどまでにジャニー喜多川の抱えていた業は重すぎた。
果たして「ジャニーズ」という言葉がどう変わっていくのか。新会社はどうなるのか。その推移を静かに見守るしかない。
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