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徒歩5分の大冒険

ゴールデンウィークに10連休を頂きまして、
友達もボーイフレンドも夫も親にも頼れない複雑な身の上の私は(複雑にしているのは自分自身でみんな優しいです)とりあえず千葉の姉の家に遊びに行き、姪っ子甥っ子に癒され、情報の多さに疲れ果て、用事もないのに、1人になる必要を感じて、4日目には京都に戻ってきた。10日も休みがあるのに。群れることにいい加減慣れろよ。

5日目は死んでいた。なんでこんなに眠るのか?というくらい寝てた。新幹線が速すぎたせいで思った以上に疲れていたのかもしれない。

6日目は規則正しい生活を取り戻すため、午前中に起きたが、いつもより寝坊した。浴槽を掃除して良さげな入浴剤を使って湯船に浸かり魂をお洗濯。洋服の洗濯もして、掃除してシーツなどを取り替えた。かけ布団をベランダで干して、コンビニに行き、惣菜を買って、皿に盛り付けて1人で食べた。洗濯は2回も回したし、掃除は掃除機とクイックルワイパーの2種類。クッションのカバーも洗濯したし、中身もベランダで干した。お風呂上がりに髪の毛をすぐにドライヤーしたことも本当に素晴らしい所業。
あと、全然関係ないけどペットボトルの分別をしっかりきれいに毎日欠かさずに行っている。

はっきり申し上げて、私、すごい。
(上記については31歳の人間にとってはできて当たり前の普通のことなんですが、当方、普通にできることを普通にできない人生で一生懸命やってるタイプの人です。ご容赦ください)

ここで思った。
もう少し外に出ないと活動量が少なすぎる。こんなにもタスクをこなしている(普通)とはいえ、コンビニまでの往復は買い物時間も含めて10分もかかっていない。歩数を管理するために始めたピクミンのアプリも暇そうにしている。

7日目の今日は、ついに、外食をしようと決意。
1人なのでなんでも好きなものを好きなだけ食べられる。最高の身の上だ。
大好きなセブンイレブンの前にあるお洒落なイタリアンのお店。(結局徒歩3分)
引っ越してきた当初から気になっていて、とっても素敵なので、いつか素敵な人と一緒に来たいとぼんやり考えていたが、私自身がとっても素敵な人であるので、ぼんやりせず、私は私を誘って(この場合他人から見れば1人であるが魂としては2人で)ランチに挑むことを決意。

お洒落なイタリアンに素敵な人として行くので、朝からシャワーで身を清め、一番のオシャレをした。実は今日も寝坊したので朝ごはんは抜いている。これもランチのためだ。仕方ない。
12時からのランチに12時ピットインしてしまうのが少し恥ずかしくて、無駄に12時半ごろに家を出た。オシャレイタリアンはメチャクチャに混んでいた。
入店したけどスタッフの方に気がついてもらえず、だいぶ店の奥まで勝手に入って何回も「すみませーん」と声をかけるオシャレな私。中性的な魅力のマスターは不機嫌そうで「少しお時間かかりますけどよろしいですか?」時間に急かされるような休日ではないので全然構わないですよ。歩いて3分のとこに住んでるので。

とにかくめっちゃ美味しい。前菜もパスタもメインも最高。
めっちゃ美味しいですってカウンター席の素敵な私は素敵なマスターに言いたい。けどマスターも他のスタッフ2人も必死の形相だった。声をかけても無視されそうだった。無視されたら辛い。とにかくこの最高の気持ちは何とかして表現したい。私は笑顔で美味しそうに食べた。たまにうなづきながら食べた。うんうん美味しい。全部の料理にこだわりを感じるぜ。1人で笑顔で食べる私。ビールも飲んじゃう。素敵すぎて長澤まさみかと思われたかもしれない。もしかして食べ終わる頃にはCMに起用されるかもしれない。

そんなことより食後のコーヒーのアメリカーノが全然出てこない。

私のメインを平らげるスピードが速すぎたのか?カウンター席なのでぺろりと平らげていることは明白であり、食後ですアピを今更するのも無粋に思われて(は?)とにかく空を見ていた。空に穴が開いて吸い込まれそうなくらい見ていた。
後から来た隣の女性2人組に食後のコーヒーが出て2人がデザートの追加を注文して5分後、私のところにもついにアメリカーノが登場。(いい女は気が長いのだ)
「お待たせしました〜」と待ち焦がれたアメリカーノを軽く出してすぐに去っていくアルバイト。「ミルク取りに行ってくれたのかな?」と思い少し待っても全然来ない。よく見たらレジで何かしている。ワシのミルクは・・・
ネットで調べた。「アメリカーノ ミルク 注文」
ミルク入りのコーヒーが飲みたい子どもさんは別のものを頼んでくれい!というオシャレイタリアンのアメリカーノへのこだわりかもしれない。(いや、イタリアンやし日本人やしアメリカーノやしややこしいな)
さっきから大きめの声でマスターに注意を受けているアルバイトの段取りミスという可能性もあるが、私はミルク無しでもコーヒーが飲める日本人なので、熱すぎてカップを持つこともできない濃いめのアメリカーノをオシャレなイタリアンレストランで時間をかけてたっぷり味わってオシャレに飲んだ。

1時間15分という1人でランチした人の最長滞在記録を引っさげて私は会計をする。時間貴族だな、と我ながら思う。時間が足りないと泣きそうになっていた一年前の受験生だった私に時間を分けてあげたいくらいだ。時間貴族が言う「夜も混んでますか?」マスターでも無能アルバイトでもない板前風河童メガネが言う「休みの日は混んでますねえ」「でもお電話をいただければ確実ですよ」「カウンター席なら大体いつも大丈夫ですね」私が次に来る時も1人だし、最後の答えで十分です。次に来たら直接美味しいってカウンターで言うよ。ありがとう。

外に出るときにお店の構造を確認した。1人でランチするときに天井をジロジロ観察していると他のお客さんのご迷惑になりそうでいつもヒヤヒヤする。古民家を改装してきれいにした二階建ての木造建築だった。コンクリート打ち放し断熱材も配管も剥き出しの直天オシャカフェが流行っているが、こっちの方が人として自然で好きだ。木造の方が温もりを感じるとかいう理由ではない。断熱材剥き出しが不自然で苦手なのだ。

食事には百姓を目指している夫がよく食べさせてくれた変わった野菜がたくさん出てきた。
特に芹のパスタはめちゃくちゃ美味しくて、芹のイメージが変わった。
芹は細かく刻んで塩味でバターとレモンで簡単にパスタにしたら美味しいよ。って夫に教えてあげたら喜ぶかもしれない。有機野菜を使ってたよ。あなたが得意のビーツも出てきたよって教えてあげてもいいかもしれない。でも別にそんな義理は残念ながら全くないので、最高に素敵な私のための最高に美味しい私だけの芹のパスタだ。誰にもシェアなんてしてやらねえ。(とか言っていつも食事の写真を取らないのを食後に悔いる)

3分歩けば家に着いてしまう。きっと家に着いてテレビ見て、横になって寝るのかな。
なんか勿体無いな。。。。と余韻に浸っていたら、警察が交通規制している。
おやおや、事件ですか?私の家の前で事件ですか?と思ったら
ババーン!神輿!!!!!!
なんと私の家の横の車で通るのも嫌な細い細い交差点が神輿にとっての最大の難所=見せ場になっていた。
京都アルアル。神社の儲かりぶりもすごいのでちょっとしたお祭りも本格的やし歴史もある。神輿もギラギラして立派である。
家の前で半裸でハッピ着てハッピーなおじさんたちが「そのまま後ろ!」「切り返しすぎるな!」とかワイワイ盛り上がっているのを横目にしれっと帰宅することもできず、ババアは「うわー!」「すごい!」「なんのお祭りですか?」「どこに行くんですか?」などと言い、近所の立派な野次馬のおじさんやお婆さんに勝手に声をかける。(立派な野次馬ってなんそれ)

そのまま神輿と半裸のおじさんたちと一緒に神社へ行ってもいいかなと思ったけど、参拝したこともない神社の祭りにノリで参加するのもなんだかな。。。パリピじゃねえしと何だか気が引けてしまい、神輿の後続で古いオープンカーに乗ったやんごとなき雅なオーラの神主が微笑みながら交差点を右折するのを見届けてしれっと家に帰ってきた。

私のアメリカーノがもっと早く出てきていればこの神輿に気がつくことなく家で昼寝してたやろな。今日は美味しいものを食べれたし知らない祭りの知らない神輿に遭遇できてラッキーだった。

今日はこの後スーパーに行って買い物をして料理をしたらすごく充実しそうだけど
食材なんか買う気にならないくらいお腹いっぱいなので何もせずにのんびり過ごします。あ、太鼓が聞こえてきた。幸せだな。

またなんか書きます。

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