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忌憚幻想譚

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ホラー短編集です。
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#短編小説

【忌憚幻想譚1話】もういいかい【ホラー短編集】

「そうねぇ、あの日は皆でかくれんぼをして……ふふっ」  ハルさんがぽつんとこぼして笑う。…

奏
3週間前
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【忌憚幻想譚2話】手と手と【ホラー短編集】

 僕が彼女を狙って、必死に努力して一カ月。  うだるような蒸し暑さの夏休み、僕は意を決し…

奏
3週間前
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【忌憚幻想譚3話】貴女が見た世界【短編ホラー集】

 ――貴女が見た世界が本物であるとしたら、世界はただ誰かの手の内で転がっているだけなのだ…

奏
12日前
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【忌憚幻想譚4話】ただそれだけのこと【ホラー短編集】

 つぶれたトマトがそこにあるみたいに、なにかが横たわっていた。  目を瞠るとそれが、もと…

奏
9日前
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【忌憚幻想譚5話】まつらるるは【ホラー短編集】

 さて、自分がいつからここにいるのか。  それすらわからなかった。  そう。なんだかよく…

奏
9日前
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【忌憚幻想譚6話】音の正体【ホラー短編集】

 とん、ととん、ととと……  とん、ととん、ととと……  上の階の住人は、いつもなにかを…

奏
8日前

【忌憚幻想譚7話】Aの写真【ホラー短編集】

 夏だから、ほんの少しだけ怖い話を。  私がまだ中学三年生のときの話。  社会科見学でとある城下町跡へと行ったときのこと。  社会科見学では学校が雇ったのであろうカメラマンさんが要所要所で写真を撮ってくれて、あとでそれが廊下に張り出され、自分たちで選んで購入するシステムだった。  歴史の博物館や古い施設、駄菓子屋さんが並ぶ個性的な路地を歩き、楽しい一日だったのを覚えている。  だけど写真が貼り出されると、すぐに噂が駆け巡った。 『Aちゃんの写真だけ心霊写真になって

【忌憚幻想譚8話】あいにいく【ホラー短編集】

 僕がまだ小さい頃のお話なんだけど。 『誰か』が家に来たときのお話。  僕はすごく恐くっ…

奏
8日前

【忌憚幻想譚9話】ありがとう【ホラー短編集】

「ねえリコちゃん、ありがとう」  幼なじみのカコちゃんは、いつも私にお礼を言う。  小さ…

奏
8日前
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【忌憚幻想譚10話】桜の木の下で【ホラー短編集】

 おじいさんは、桜が好き。だから私も、桜が好きなの。  桜が咲く季節には、おじいさんと一…

奏
8日前

【忌憚幻想譚11話】怪盗#【ホラー短編集

 ――ねぇ怪盗#って知ってる?  ――知ってる! SNSで願い事を書いて#怪盗って付けると叶…

奏
7日前
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【忌憚幻想譚12話】ゆめゆめ【ホラー短編集】

 私がこれから語るのはよくある夢のお話でね。  私は夢を観賞するのが好きだから、誰かの夢…

奏
7日前
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