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忌憚幻想譚

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ホラー短編集です。
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#短編

忌憚幻想譚【ホラー短編集】

あらすじ 世のなかには、忌み嫌われ、恐れられ、避けられている物語がある。  それは「人」…

奏
12日前

【忌憚幻想譚1話】もういいかい【ホラー短編集】

「そうねぇ、あの日は皆でかくれんぼをして……ふふっ」  ハルさんがぽつんとこぼして笑う。…

奏
3週間前
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【忌憚幻想譚2話】手と手と【ホラー短編集】

 僕が彼女を狙って、必死に努力して一カ月。  うだるような蒸し暑さの夏休み、僕は意を決し…

奏
3週間前
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【忌憚幻想譚9話】ありがとう【ホラー短編集】

「ねえリコちゃん、ありがとう」  幼なじみのカコちゃんは、いつも私にお礼を言う。  小さ…

奏
8日前
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【忌憚幻想譚10話】桜の木の下で【ホラー短編集】

 おじいさんは、桜が好き。だから私も、桜が好きなの。  桜が咲く季節には、おじいさんと一…

奏
8日前

【忌憚幻想譚11話】怪盗#【ホラー短編集

 ――ねぇ怪盗#って知ってる?  ――知ってる! SNSで願い事を書いて#怪盗って付けると叶…

奏
7日前
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【忌憚幻想譚12話】ゆめゆめ【ホラー短編集】

 私がこれから語るのはよくある夢のお話でね。  私は夢を観賞するのが好きだから、誰かの夢を徘徊するのが趣味なのだ。  夢とはヒトの潜在意識。  夢とはヒトの願いや絶望。  ほら、今日の夢主はなにかに追いかけられているようだ。  黒い影――とでも例えようか。  さて、あれはなんだろうね。  ヒトの悪意か、それとも抱えきれないストレスか。心が疲れてすり減った状態なのかもしれない。  あはぁ、君にも心当たりがあるのかな?  ならばさぞや美味な夢を見るのだろうね。