【忌憚幻想譚7話】Aの写真【ホラー短編集】
夏だから、ほんの少しだけ怖い話を。
私がまだ中学三年生のときの話。
社会科見学でとある城下町跡へと行ったときのこと。
社会科見学では学校が雇ったのであろうカメラマンさんが要所要所で写真を撮ってくれて、あとでそれが廊下に張り出され、自分たちで選んで購入するシステムだった。
歴史の博物館や古い施設、駄菓子屋さんが並ぶ個性的な路地を歩き、楽しい一日だったのを覚えている。
だけど写真が貼り出されると、すぐに噂が駆け巡った。
『Aちゃんの写真だけ心霊写真になって