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「元彼の遺言状」を読んで。

新川帆立さんの作品です。


「このミス」大賞作品として知っている方もいらっしゃるでしょうか。

2022年4月から、月9でドラマも始まります!

新聞広告に掲載されたり、よく行く本屋さんでランキング上位に常に存在していたり。

何かと目にする機会が多かったですね。

以前から読んでみたい、と思っていたのですが、今回ようやく購入致しました。

夜から読み始め、数時間掛けて一気に読み終えました。


先日の「むかしむかしあるところに、死体がありました」の読書記録で書いた時に、もう一冊買った本がこちらになります。


先日の記事はこちら。

「元彼の遺言状」について。

本作品は弁護士の主人公が、かつての元彼が残した奇妙な遺言状の存在を知った所から始まります。
多額の報酬を求めて、依頼人の代理人として事件に関わっていく中で、様々なハプニングやトラブルに巻き込まれながらも奮闘する話になります。

事件の真相が明らかになってきた時の展開が非常に面白くて、読みながらドキドキしました。
散りばめられた伏線が後半に回収されるのが見事で、一気に読んじゃいました!


ミステリー作品のため、ネタバレにならない様にお話しさせて頂きますね。

主人公は女性の弁護士さんです。

勝ち気で物おじしない性格の持ち主で、冒頭で発生する出来事を読んで唖然としてしまいました。

ちょっと…いや、かなり苦手なタイプだ。
最初の印象があまり良くなかったのですが。
話が展開していく中で、少しずつ成長していくんですよね。
仕事もプライベートも一切妥協せず、相手がどんな立場の人間であっても、果敢に立ち向かう姿に読み進めていくうちに惹かれました。


やり方は賛否両論ありますが、私もこんな風に自分の意見を主張できるようになりたかったな。

本作の主人公は、いつかの私がなりたかった姿。
自分の気持ちに正直であり続け、空気を読まずにハッキリと伝える。

自分だけの力で稼ぎ、仕事を勝ち取り、相手が自分より格上であっても主張する。

敵対する相手側から何を言われてもへっちゃら。

多少強引な手を使ってでも、勝つために全力を尽くす。

良くも悪くも、ひたむきで一生懸命なんです。

自分の気持ちに正直であり続けることの難しさは、年齢を重ねていくに連れて感じることが増えましたね。
どこかで妥協したり、自分の意見を曲げたり。

世の中をうまく渡り歩くために、納得出来なくても自分の気持ちとは裏腹な言葉を言ってしまうことが増えてしまいました。

だからこそ、自分の意見や気持ちに常に正直であり続ける主人公が眩しく見えます。



話の途中で会社の「有価証券報告書」に関する情報にも触れている場面があります。
ここで主人公が「弁護士という狭い世界だと見えない世界が、有価証券報告書を通じて見えてくるのが面白い」といった主旨の話をするのですが、これは分かるなぁと同意。

仕事柄、財務諸表がちょっと読めるので。
財務諸表や有価証券報告書の分析に関する本を読んだ時は、様々な業界や業種に触れられて面白かったです。
私自身、普段から狭い世界にいるので、財務諸表を通じて知らない世界を垣間見ることが出来るとワクワクしてきます。


そして、本作品で一番印象的だったのが「贈与(プレゼント)」に関する考え方。

ネタバレになるので詳しくは触れる事は致しませんが、今後は相手に贈り物をするときに少し考えるようになるかも。
何事もやり過ぎは良くないですね。


正直、主人公の貪欲さには閉口してしまう面もあるのですが。
欲望に忠実で、自分を信じて突き進む姿の主人公に憧れの気持ちを持ちつつ、一気に読み終えました。






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