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とあるフィリピン人との話。2

ビデオ通話の使い方

前回にも少し書いたが、例の旦那の小学生の娘(当時8歳)が、まだ我が家に泊まりに来たり来なかったりくらいの頃の話。
仕事から帰ってきて、娘からLINE電話がかかってきた。
そういえば何かの理由で、「今後何かあった時のために、私のLINE教えとくね。」とLINE交換したのを思い出した。
出てみると、いきなりビデオ通話で繋がったので、普通の通話のつもりで出た私の耳に、スピーカーの音量で声が響いて慌ててスマホを耳から離した。

娘:もしもし~
私:あー(びっくりした)、もしもし?どした?何かあった?
娘:何してるの
私:え、さっき仕事から帰ってきたとこだけど。
娘:へ~そうなんだ。私、YouTubeみてたよ。
私:そうなの。(何の用だろ??)
娘:これね、おもしろいんだよ。最近よく見てる。
私:へぇ~・・
娘:くすくす・・笑(動画をみて一人で笑っている)
私:・・・・・・・。

「??」と思いながら画面を見ると、ベッドの上にいるらしく、布団が見えており、どうやら自分の横にスマホを置いてビデオ通話をしてきて、自分の正面にiPadを置いて動画を見ていた。

私:(え、これ、何の時間なん??汗)
娘:くすくす・・・あはは・・・笑
しばらくこれが続く。

この頃はまだ結婚前で、旦那の娘ということもあり、あまり邪険に扱うのもね、という感じで、しばらく様子を見ていたが、この状態が10分近く続いたように思う。
さすがにそろそろ・・と思い、切り出した。

私:えーと・・ごめん、そろそろご飯作ったりしないとだから、また今度ね。
娘:あー、うん。またかけるねー。
終話。

えっ、何?今の「小学生がiPadで動画を楽しむ様子を見てみよう」みたいなよくわからない時間は・・・。
私が動画見てた人みたいになってたけど、電話かけてきたの、そっち(娘)の方だよね??
ナニコレナニコレ。これ、普通なの??

翌日。
また同じようにLINEのビデオ通話。
私:もしもし
娘:もしもし。何してるの。
私:あー、ごはん食べ終わったとこだけど。
娘:今日、学校でね・・・

しばらく取り留めもない報告がランダムに続き、そのうちまたiPadで動画を見ながら話したり話さなかったり。

後日も何度かこれが続き、旦那にその戸惑いを伝えると、
「寂しいんやない?」と。
それはいい。別に構わない。しかし、私が言いたいのはそこじゃない。

電話してきて相手を放置 って、意味不明じゃね??

と思うのは心が狭いのだろうか。
現代あるあるなのかはわからないが、自分の子供が他人にそれを平気でしていたらどうする?と考えた時、全力で注意するな、と思い、ある日またビデオ通話が娘から来た際に話してみた。

私:あのさ。電話してきたのは●●(娘)だよね。かけてきたのに何も話さないでiPadで動画見てるのって、こっちはどうしていいのかわからなくて困るよ。電話って、お話するためのものでしょ?お話しないなら何の用でかけてきたのかもわからないし、こっちはそのiPadの動画が見えるわけでもないし、ただ●●が動画見て笑ってるのとかしか見えないのって、わざわざビデオ通話で映す意味もないよね。なんで電話してきたのかが相手にはわからないよ?何か用があったからかけてきたのかなって思って電話に出た方は、もう電話切っていいのかわからなくて困るし、相手も自分の時間を使ってるんだから、これって相手に失礼だと思うな。

さあ、どんな反応か。

娘:そうなんだ。わかった。マミー(娘のフィリピン人の実母)はなんか、たぶん彼氏?と夜ビデオ通話して、そのまま朝まで寝てたよ。

は??ビデオ通話繋げたまま寝る???汗

私:それは・・・普通じゃないと思う。おかしいよ。そんなこと他の人がされたらたまらんよ。みんな忙しいんだから。少なくとも、相手もそういうふうにしても大丈夫なのか聞いてみてからでないと、相手がかわいそうだよ。

せっかくなので、もうひとつ気になっていたことも伝えた。

私:あとね、ビデオ通話でかけてくるのも、ごめんけど良くないよ。相手が家の中とも限らないし、もしかしたら電車やバスの中かもしれない。仕事中かもしれないよね。ビデオ通話て気づかなくて出たら、いきなりスピーカーで音が出るでしょ?周りの人もびっくりするし、普通の電話だと思って耳に当ててた私もびっくりして耳が痛かったよ。まずは普通に電話かLINEで「ビデオ通話しても大丈夫?」って聞いてからにしないと。

娘:そうなんだ。わかった。気を付ける。

目の前で、そんな「普通」が日常的に行われていれば、そりゃあ子どもは正解だと思って真似しても仕方ない。育児の怖さを感じた最初の出来事だった。
その後しばらくは、気を付けるようにはなってくれたように思う。
(というか、こちらも遠慮なく「もう切るよ」とは言えるようになったのだが)

ただ、もちろん、これはただの小さな始まりだったわけで・・・

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