見出し画像

クリエイティブってなんなのか考えまくった4ヶ月 | カナダデザイン留学

今日は「クリエイティブ」という言葉について考えたことについて書きます。

わたしは現在カナダのカレッジでデザインを学んでいます。

5月に最初のセメスター(学期)が始まってから、デザイン原理、デザインビジネス、Webデザイン、デザインツール、フォトグラフィー、音響などのクラスを履修しました。

それぞれのクラスで課題が出るわけですが、最初は他のクラスメイトが出してくる作品のレベルの高さにびっくりの連続でした。

もともとわたしはデザイナー志望でこのプログラムに入ったのではなく、Webで使われるプログラムを書くのが好きでした。

デザインは昔から苦手で、自分は向いていないと思っているタイプ。

そんなこともあり最初は課題を出されても、教授が出す要件を満たすので精一杯でした。

評価はきまって「クリエイティブさが足りない」

たとえば「自分が好きな映画のポスターをデザインしてみましょう」という課題。

ポスターのサイズや数、色は何色までOK、ファイル名はこれで...など、いろんな細かい要件があります。

わたしの作品はそういった要件・ルールはしっかり守れるのですが、いつも評価は「クリエイティブさが足りない」。

ほかの学生はそういうルールは抜けていても、見た瞬間に「わお!」と思わせる作品を出してくるんです。

わたしからすると

「そんな手もあったか...!」

「そんな表現もしていいの!?」

という気持ち。

わたしの作品はよくて70%くらいしか取ることができませんでした。

目標は全教科80%以上をとることだったので、これではまずい...と悩みました。

教授たちは口々に「Be creative!」と言いますが、どうやったらクリエイティブになれるんだろう?

いままでそんなこと考えたことありませんでした。自分はそんな世界とは遠くにいると思っていたんです。

やってみたこと

まず、いくつか本を読みました。
なるほどデザイン、消費者の心を動かすデザインの技法レイアウト・デザインの教科書などデザインのテクニックを教えてくれる本。

それからクリエイティブになるにはどうすればいいか、クリエイティブシンキングの本も。

この本には「クリエイティブな人とクリエイティブでない人がいるわけではない。人種、性別、性的指向、能力、生い立ちに関係なくどんな人にも創造性が備わっている」とくり返し書かれており、自分にもできるかもしれないと感じるようになりました。

でも本をいくら読んでも答えは見つからない。

当然です。

転機となった写真クラス

そのころ写真のクラスで「五感を写真で表す」というテーマの課題が出ました。

Vision, Hear, Smell, Taste, Touchといった感覚を、写真で伝える課題です。

制作期間は2〜3週間あったのですが、いくらPinterestでインスピレーションをググってみても、いい題材が思いつきません。

毎週のクラスではほかの学生が自分が撮影した写真を教授に見せてフィードバックをもらう時間が設けられていたのですが、わたしはいつまでたっても見せるものがなく焦っていました。

そこで、教授にどうしてもアイデアが浮かばないと正直に相談してみたのです。

教授の答えはやや漠然としていましたがヒントを与えてくれました。

「まずはいろんな写真家の写真を見てみること。それからカメラを持って街に出る。目に留まったものをすべて撮る。あと雑誌は読む?雑誌を見て勉強するのもいいよ。あとは『自分が何を表現したいのか』考えてる?そこがすべてのスタートだと思うよ。それから考える時間も大切だけど、Don’t think too much! きみはたぶん考えすぎだね」

おっしゃる通り。わたしは自分がなにを表現したいか考えたこともなかったし、写真の経験もほぼありませんでした。デザインも同じです。

そもそもの引き出しが少なすぎるのです。そんな中から絞り出そうと思ってもありきたりなものしか思いつきません。

それではクリエイティブとは言えず、見た人に「おおっ」と思わせることはできない。

インプットが全然足りないんですね。

それからまずは教授に言われた通りカメラを持って散歩に行きました。

有名写真家の写真を眺めてみたり。
雑誌を見てみたり。
『自分が表現したいもの』ってなんなのか考えました。

いつもとは違った目線で写真やデザインを見るようになりました。

そうするとすこ〜しずつ、あ、これどうかな?とアイデアが湧いてくる瞬間があったんです。

あとは出てくるアイデアすべてどんどん紙に書き出してブレインストーミング。

その中からこれならイケるかも?と思ったものをピックアップして撮影します。

それを次のクラスで教授に見せると「WOW! Look at that!!」を引き出すことができました。

このときの快感ったら...笑

自分でも「これいいかも」と思えたものだったので、いい反応がもらえてうれしかったです。

ここで初めてクリエイティブになるってどういうことなのか、自分で作品を作るってどういうことなのかが少しだけ分かった気がしました。

それからその写真クラスの教授にはやたらと期待されてプレッシャーでしたが...笑

それからも苦しみながらなんとかデザインや写真の課題をこなし、最終的にはいい成績を修めることができました。

画像1

教授からいちばん評価が高かった "Hear"。どうでしょう?
聞こえてきますか?

画像2

こちらは触覚。このチョコレートに映る反射と真っ直ぐに落ちるチョコレートのラインが撮れるまで、何枚も何枚も撮りました。教授からも気に入られ、自分でも満足のいった一枚。

画像3

「一番弱い」と言われた嗅覚。むずかしいです

自分的総括

最初のセメスターを終えてみての自己評価は、「わたしデザインできるかも?」。

あくまで前と比べればましってくらいのレベルですが、それほど自分のデザインがダメだとは思わなくなったし、悩んで悩んでのたうち回ったかいはあったと思います。

どうすればクリエイティブになれるか、答えはまだ見つかっていませんが、そのヒントを得たような。

とにかく自分で悩んで、考えて。作品を作ってみて、人に見せてフィードバックをもらい、また考えて。そのくり返しの中でしか見つからないものなのかなと今は思います。

まだまだ留学の1/4が終わっただけで、これからもっとハイレベルなものを求められます。

今後もウンウン唸りながら、人をワッと言わせる作品を作っていけたらと思います。

もしおもしろい!と思っていただけたらシェアかスキ!していただけると嬉しいです!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?