日本の残されし民より未来の全人類(選ばれし民)へ 。シリーズ『出エジプト記』に読む神のご計画 14. 敵からの防衛の保障③
日本の残されし民より未来の全人類
(選ばれし民)へ 。
シリーズ『出エジプト記』に読む神のご計画
14. 敵からの防衛の保障③
『“神に召された一人の偉大な指導者”が誕生すると、奴隷状況にあった一つの民族が解放されて、神の使命に生きる偉大な民族と変わりゆきます。その最初の選びがイスラエル民族にありました』。
今回は『14. 敵からの防衛の保障③』について
学んでいきます。
【聖書箇所】出エジプト記17章15〜16節
2. 「アドナイ・ニシ」
(主はわが旗、軍旗)の意味すること
モーセは戦いの勝利の後に、祭壇を築き、「アドナイ・ニシ」(主はわが旗)と呼んだのですが(16節)、その意味するところがまことに不明確です。16節は聖書によって訳がまちまちなのです。
【新改訳】
それは「主の御座の上の手」のことで、主は代々にわたってアマレクと戦われる。」と言った。
【新共同訳】
言った。「彼らは主の御座に背いて手を上げた。主は代々アマレクと戦われる。
【関根訳】
「手をヤーウェの旗につけよ、ヤーヴェは代々アマレクと戦われる」
【フランシスコ会訳】
「手にはヤーの旗があり、ヤーウェは代々アマレクと戦う」
【岩波訳】
そして言った。「手を、ヤハの玉座の上に〔置け〕、代々にわたる、アマレクに対するヤーウェの戦争である」
【リビングバイブル訳】
モーセは言いました。「神様の旗を掲げなさい。こののち何代にもわたり、神様がアマレクと戦ってくださる。」
新共同訳は他の聖書と比べて、かなり意味合いが異なっています。
原文直訳では、「そして彼(=モーセ)は言った。すなわち、『手が主の御座の上に、主のアマレクとの戦いは代々に』となっています。
動詞がないために訳がまちまちであり、「旗」のヘブル語は「ネース」(נֵס)です。
主の「座、玉座、御座」は「キッセー」(כִּסֵּא)の連語形「ケース」(כֵּס)。
また、「手」(「ヤード」יָד)が、モーセの手にした神の(権威の)「杖」を意味するとすれば、それが「わが旗」となり、その旗を高くかかげることによって、主が敵と戦って勝利をもたらしてくださるという意味になると考えられます。
「アマレク」は、神の救いの計画に敵対し、それを無に帰そうとする力の象徴とも言えます。
その敵に対して勝利をもたらすのは、常に「神の杖」です。
モーセや従者の手ではなく、モーセが握っていた「神の杖」こそが勝利をもたらすのです。
それは、神がモーセを召された時に、モーセの杖を蛇に変える奇蹟によってご自身の力を保証するしるしとされました。
その杖こそがエジプトのパロと対決する唯一の保証となったのです。
またその杖は紅海を干上がらせ、荒野では岩から水を出させました。そしてモーセが神の命令によって杖を高く上げると神の力が働いて、戦いにおける勝利がもたらされました。
アマレクとの戦いにおいてイスラエルに勝利がもたらされた後に、モーセは一つの祭壇を築き、それを「アドナイ・ニシ(ニッシー)יהוה נִסִּי」(主はわが旗)と呼びました。
なぜなら、「神の杖」こそ勝利のしるし(合図)となるべき「旗」(「ネース」נֵס)だからです。
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