官note 〜やかずのおかず〜

知識0が書く官能小説。 心と心の濃厚接触。 物語は繋がっている。

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『背中』

11月。 最近は少し肌寒い。 街を彩る装飾からは冬の訪れを感じる。 街行く人々がコートをなびかせて歩いているこんな時期にインナーとスウェット一枚、 そりゃあ寒いに決まってる。 僕は全身に少し力を入れて寒さを堪えていた。 18時27分。 僕は今、駅前でとある女性が来るのを待っている。 遡ること2週間前。 僕は初めてマッチングアプリに登録をした。 クリスマスは彼女と過ごしたい。 毎年この時期になるとそんなことを考えてやきもきする。 でもクリスマス直前に付き合うなんて品

官note 〜やかずの…

    • 『ルーズリーフ』

      10月。 長い夏休みが終わり大学の後期が始まる。 また耳障りに騒ぐ集団と同じ空間に毎日足を運ぶ生活が始まるのかと思うと嫌気がさす。 渋々支度を済ませ、 季節外れのサンダルを履いて家を出る。 大学までは徒歩5分。 通りに出て坂を少し登ればすぐに着く。 通りに出ると駅から歩いてくる大学生が長蛇の列を作り歩いている。 その横を数人自転車を立ち漕ぎで上っていく。 ああそうだ、これが大学生だ。 男女それぞれで服装は皆酷似していて、 髪の毛は男も女もこぞって茶色。 キャンパス

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      • 『塾』

        8月下旬。 蝉が奏でる騒音もまだマシになってきた。 相変わらず退屈な夏休みを家で過ごす僕だが、外に出ることもある。 バイトの出勤である。 塾のバイト、時給は1400円でまあまあ高い。 勉強を教えるのは嫌いじゃないし、 これだけ高時給ならばそこそこ稼げるだろうと働き出したは良いが、 自分の担当する教科しか出勤しないためまとまった時間働くことができず案外稼げない。 おまけにこの塾は黒板を使って授業をするため掃除が大変だ。 ジュゥウウージュボージュボージュボー どうして今

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        • 『Bluetoothイヤホン』

          夏の暑さに呼応するように、 今日も鬱陶しくセミが鳴く。 大学生の夏休みがこんなにも暇な毎日になるなんて、 入学した春、晴々しく咲くあの桜の木の下では想像すらしていなかった。 同級生はキャンプだ海だバーベキューだと夏を満喫している姿をSNSにみっともなく晒す。 入学してすぐに友達ができた奴らはいい。 グループを作り休日を迎えるたびに楽しそうに遊んでいる。 僕は人から話しかけられるのを待つばかりで、 サークルに入ることもせず、 いつか友達くらいできるだろうと毎日を呑気に過ご

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        『背中』

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