粛々と
空を見渡して今日はどんな色かふと確認する。
曇天
雲でおおわれた街
濃い影が建物やガードレールあらゆる物のあちこち縁取りどこかおもったるさを演出している。
どこにも夕焼けは見当たらない。
夕方出歩く時、必ず夕焼けを探してしまうが今日は見られそうにない。
そういえば、台風が近づいているらしいと思い出してやけに納得した。
警戒をしているような圧迫感のある表情に見える。
上空を仰いだ後、ふと目線を落としたとき、
体がふっと喜びを感じた。
柔らかい
温かい
路地から除くアパートの窓のそこには紛れもない夕焼けだった。
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