消えた初恋#8 感想 多様性はラーメンのように

俺の未来はあなたにかかっています!

消えた初恋第8話の感想です。

あらすじ

ライバル出現のピンチを乗り越え、また少し絆が深まった青木(道枝駿佑)と井田(目黒蓮)。ようやく平穏な日常が戻ってきた…と思いきや、担任の谷口先生(田辺誠一)との面談で、青木が進学を希望するなら、急ピッチで数学をレベルアップしなければ相当ヤバイという衝撃の事実が発覚する。
数学が苦手すぎる青木を見かねたあっくん(鈴木仁)から、文系への転向という方法もあるとアドバイスされるが、知り合いのいない文系に移ることに気が進まずウジウジ…。しかし、そのやり取りを聞いていた井田の「青木、いなくなるのか? 寂しくなるな…」というひと言で覚醒! ガゼンやる気になった青木は、谷口先生の紹介で、教育実習に来ることになった岡野先生(白洲迅)から、集中的に個人指導してもらうことになる。

「消えた初恋」公式ホームページより

教育実習生の岡野先生

井田くんの一言でやる気出す青木くんチョロ…

教育実習生の岡野先生に「余裕があってかっこいい」と心を開く青木くん。×ばかりでも焦らずいこうと話す先生になついています。(ここで終わればよかったのに…)
好きな子の話になり、ニコニコ顔で話す青木くんとニヤニヤ顔で聞く岡野先生。青木くんこんな顔だった→😊
ピュアすぎる(?)青木くんに岡野先生は手つなぎやキスといった具体的な恋人同士の行動の提案しました。ここから青木くんの挑戦が始まります。

手をつなぎたい

屋上でのシンデレラカップルの食べさせ合いを目撃してしまったお二人。「合意の上みたいだし(あの行動は取り締まらない)」と話す井田くんに対し、岡野先生とのやり取りが蘇ります。

勇気を出して手に触れたものの、拒否されてしまい過呼吸状態に。井田に拒否されたという嫌な出来事を忘れようと先生が驚くほど勉強熱心になっています。人が変わってる。
そのおかげで点数は上がったので結果オーライということで…

歩道橋にて嬉しそうにテストの答案を眺める青木くんに井田くんが接近、からのご報告タイム。井田くんはそんな彼の様子を見て「幸せを噛み締めていたのか」と冷静に分析しています。「青木のことをもっと知っていけたら」と話してから青木くんの気持ちを確認することが多くなっているのは井田くんなりのアプローチ方法なのかな。
お昼の時の手の話を悲しそうな顔で話す青木くん….元気がなかったのは拒否されたからではなくてそれ以上に警戒されていると分かってしまったから(違ったけど)
本心を伝えずに話を打ち切ろうとした青木くんの手を掴んで自身のポケットに入れた井田くん、ここで一気に画面に釘付けになってしまった。我ながらちょろい()

あの「うわっ」は手が冷たすぎたことへの驚きからきたものだと分かって一安心。からの自分の手を握る井田くんに驚いてる。彼のことは最初から受け入れていて、そして恋人つなぎにする井田くん。少し微笑んだのも青木くんが元気を取り戻して安心しているように見える。「初心LOVE」のサビが流れるタイミングもバッチリです。


ここで終わればよかったのになぁ…..(2回目)

なんだ?あれ・・・・って言ってる時点で「男性が男性を好きになるのは普通でない」と思っていることが分かってしまって胃が痛くなってしまった。付き合ってるんだからいいじゃないか

青木くんを拒否した岡野先生

なんだこやつは…………………………
歩道橋の2人の手つなぎを目撃してしまって「何あれ」と理解しがたい表情で呟くのも「なんだこやつは」と思ってしまったけど、「やたら慕われてる気がする(俺のこと好きなのか?)」と曲解するの本当に何考えてるんだこやつは….でしかない、自意識過剰だよほんとに。

興味ないからとラーメンの約束を反故にした岡野先生に悲しむ青木くん(と憤慨する視聴者)
岡野先生にとっては自分の考えが偏見ではなくて当然で、だからこそ分かり合えないという態度をとってしまう。一方の青木くんは急に先生が自分を拒絶し始めたから訳が分からない&悲しいという顔に。こういう場面でも笑おうとする青木くんに心が痛む。青木くんはどんなときも笑ってごまかしてその場を切り抜けて、後で落ち込んだり自分の中に気持ちをしまい込んだりするから周囲が気づかないといつか倒れるんじゃないかという心配がある。

と思ったらちゃんと態度や顔に出るってことを井田くんはもちろん、橋下さんやあっくんも分かっていました。自分からはなかなか言い出せないだろうからとパスを投げるあっくんが好きだし、青木くんの代わりに怒ってくれる橋下さんも好きだし「大したことだよ」と気持ちに寄り添う井田くんも好き。全員幸せになってくれよな~~~

職員室での岡野先生と青木くんの態度を見てカチコミに行こうとする井田くんが良い彼氏してました。青木くんは何も悪いことしてないんだから堂々としてくれればいいのです。その井田くんの気持ちが伝わったのか「大事にしたい、大事にしてくれる人を」と返す青木くんが本当に精神的に大人で泣いた。その前の「青木はどうしたい?」と内心軽くキレてるはずなのに本人の意思を尊重しようとする井田くんにも心を打たれた。
約束を破られた代わりに2人でラーメン行く約束を取り付けた青木くん。後半全部2人のラーメン巡りデートでいいです。むしろお願います。

…..「生徒にはそれぞれ違った個性があって、その個性を見守ることが教師の仕事」と話す谷口先生はもしかして2人のことに気づいているのでしょうか?

ラーメンに種類があるように、人の好きにも色々な好きがある

善意で道案内した青木くんを色眼鏡で見て勝手に決めつける岡野先生、それに対して「俺は最初から変わってない」と言い返した青木くん。
そこに井田くんが登場。岡野先生に会釈(首だけ)してそのまま先生に話しかけるのではなく、青木くんに問いかけるところが安否を気にする彼氏っぽい。でも先生にラーメン誘ったからやっぱり何考えてるか分からなくなってしまった。
「簡単には理解できない」と言った先生にピリッときたけど「約束破る理由ではなかった、ごめん」とはっきり謝った点はめっちゃ偉いなと思いました。(上から目線すぎて申し訳ない)
だけど自分がモテるから青木くんにも恋愛感情を持たれてると勘違いしてたのどうかと思う。しかも青木くんに恋人居ること知ってたのに。なんだこやつは…
和解してそのしんみりムードを笑いに変えようとした青木くんが良い子過ぎた。そしてはっきりと井田が好きと言えててラインで打てなかった頃と比べて成長も感じました。


からのラーメンチョイス
お店のオススメ(世間一般の認識)を選ぶ先生
しおとしょうゆ(自分の好きな物)を選ぶ井田&青木

この対比が今回のテーマなのかなあ

「何が好きなのも人の自由だしな」と呟いた岡野先生は、今回の出来事に対して驚き、拒否してしまった。今までの人生で同性同士の恋愛を見たことがなかったor知らなかったのかもしれない。教育実習生だから好きの矢印には色々な方向があるということは学んで知っていたかもしれないが。
一方で2人は自分の主張を一切変えずに先生と向き合った。あの仲良さそうなクラスでも男同士だから冗談だよと言われたことから(第2話より)学校全体で見てもこの2人は少数派なのかもしれないが、ここまでで2人が自分の気持ちを捨てよう、変えようとしたところはなかった。(青木くんがちょっと揺らいでましたが)


そして岡野先生は2人のことを完全には理解していない。男性同士の恋というやや抽象的な概念については理解できていないが、青木が井田のことを心から想っているというその気持ちは身近に感じて、理解している。最後にウーロン茶を2人におごったのも、和解の印なのかもしれない。

一口にラーメンと言ってもしょうゆ味噌塩とんこつ…と色々なスープがあり、スープを決めてもメンマなるとねぎ…とこれまた色々な具材がある。人の好きも同じで、同性が好き、異性が好き、どちらの性も好きと色々な性的指向があり、その中でもさらに細分化された好きがある。その好きは当人にしか分からないもので、だからこそ言わせるように強要させてはいけないし、何よりも先に尊重しないといけないものである。
そして、ラーメンにも好みがあって、醤油好きだけど塩はな~という人や、みそしか勝たん!という人もいるように、異性同士の好きに拒否感がある人、同性同士の好きしか分からないという人がいる。多様性というのは、同性が好きな人達はもちろん、そのような人達をも認めあって共生することなのではないか。
豚骨至上主義の人にわざわざ因縁つけて醤油ラーメン専門店に連れ込ませるという行為がおかしいと思えるのと同じぐらい、同性が好きなんですと話す人に一方的に疑ったり異性を好きにさせてあげなきゃと見合いや合コンを設けたりすることがおかしいとみんなが心から思える社会になったらいいなと思います。


色々なラーメンを全員が楽しむことのできる世界になることを祈って




この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?