一線を越えて

日付が変わる少し前に
人の多い電車に乗る
みんな向かう方角は同じなのに
向かう先で待っている人は違うんだろう
疲れた顔をしている人の多さの中
私だけは
「これからあなたのところへむかいます」と
きらきらした顔で窓に映る私を見る
特別なような、なんでもないような、
一日がもうすぐ終わるけれど
お腹が空いたので
夜はもう少し長いままでいて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?